野生動物相手でも、撮影の打合せは一切なし
――危険なことや予想外のこともあったのではないですか?
ムツゴロウ もちろん危ないこともあるんですけど、それ以上に僕が残念に思っていたのは、僕と動物の物語が始まる“最初”の肝心な部分を、カメラマンが撮れないこと。ただそれも仕方なくて、僕が動物のどこに触って何を話すかを打ち合わせしていなかったので、カメラマンもどう撮っていいかわからなかったんでしょう。
――自分がカメラマンだったと想像しても、野生動物の動きも予想できませんしムツゴロウさんの動きも読める気がしません。
ムツゴロウ 例えば、35年前に動物園から野生に戻ったゾウと会うとするじゃないですか。そういう時僕は、ゾウの前に立って一度全身の力を抜くんです。そして呼吸を読まれないように、何も言わないし何も動かないようにする。すると最初は警戒してたゾウが、「何だろ」って近づいて来るんです。それに僕も「どうした?」って応じて、そこからスキンシップが始まる。そのお互いの呼吸を撮りたかったんですけど、ほとんど実現しませんでしたね。
――それでも事前にスタッフに説明することはしなかったんですね。
ムツゴロウ それを伝えると嘘になるからです。事前に動きや性質を説明して狙って撮ってしまったら、小学校の理科の本のようになっちゃう。それじゃダメだと思ってたんですよ。
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そのぶっつけ本番のスタイルは、撮影中にライオンに襲われて中指を食べられる、という衝撃の事件を引き起こしてしまう。しかしムツゴロウさんは、それをまるで何事もなかったように、楽しそうな表情で話しだした。(♯2につづく)
2021年 インタビュー部門 BEST5
1位:「今は犬1頭と猫1匹だけ…」借金3億を背負って「動物王国」を閉園したムツゴロウさん(86)が辿り着いた“北海道のログハウス生活”「今は自分が生きていくだけでやっとです」
https://bunshun.jp/articles/-/50887
2位:「セックス中に何度も吸うと意識が飛んで…」17歳で違法薬物“RUSH”にハマったワケと幼少期の「虐待とネグレクト」《元女子受刑者の告白》
https://bunshun.jp/articles/-/50884
3位:「芸能界を辞めようと思っていました」人気絶頂でレギュラー降板…加藤晴彦が初めて明かす“20年前の真相”
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4位:「安全日なんてない、と今は言いたい」デビューから10年、下ネタで一世を風靡したあやまん監督(42)の“後悔”
https://bunshun.jp/articles/-/50881
5位:益若つばさ 避妊リング「ミレーナ」“炎上覚悟”で公表のワケ「“はいマウント、承認欲求強め”で片付けられないように」
https://bunshun.jp/articles/-/50880