美智子さまに次期名誉総裁として紹介された雅子さま
3日前にお会いしたばかりの皇后との再会に、雅子妃は実に嬉しそうだった。式典中は、皇后の最後のご出席の姿をしっかりと目に焼き付けようと、真剣な眼差しを送られていた。そのご様子からは、新皇后となる責任感が感じられたという。
式典の最後、皇后が壇上で挨拶を終えると後ろに下がり、雅子妃に声を掛けられた。はにかむ笑顔の雅子妃。皇后に前に出るよう促され、次期名誉総裁として紹介されたのだった。会場からは、割れんばかりの拍手が送られた。式の後も皇后は雅子妃の腕に触れながら言葉を交わされていた。
雅子妃のご回復は、那須御用邸でご静養をされる時にも見られた。
那須塩原駅に到着された皇太子ご一家。雅子妃は、沿道にいた少女たちに近づいて、積極的に話しかけられたのだ。
これまでも、沿道の人たちに手を振りながら笑顔で応えられることは多かったが、この夏は距離を縮めて会話も楽しまれた。駅前での滞在時間は予定では10分程度だったが、過去最長の約20分間となった。
皇太子ご一家は、前週に滞在された須崎では御用邸に隣接する三井浜を歩いて記者団の質問に答えられたが、那須ではさらにオープンにマスコミに対応された。御用邸内の散策の取材が許可されるのは、史上初のことだった。
9月には墨田区の高齢者施設「東京清風園」を慰問。その際に1人の女性から、手作りのアルパカのマスコットをプレゼントされたのだが、報道陣に向かって嬉しそうにそのマスコットをお見せになった。
ご療養から15年が経過して、雅子妃が苦手と言われてきた、人から見られることやマスコミ対応への問題は解消されつつあった。
秋の園遊会(11月9日)は、両陛下にとって最後の園遊会だった。雅子妃が15年ぶりに全行程にご出席なさると発表があったのは、前日のことだった。
「園遊会前の11月7日から8日、皇太子は『全国農業担い手サミット』の開会式へのご臨席などのため山形県に行啓されましたが、雅子妃は同行されませんでした。秋の園遊会ご出席を見据えて間際までご体調を整えられていたのではないでしょうか。そうした工夫ができるようになってきたといわれています」(宮内庁詰め記者)