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「ご病気なのに来ていただいて…」雅子さまの苦しい日々が財産になった“瞬間”〈愛子さまのご成長が宮内庁との架け橋に〉

2021/12/30
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雅子さまの心の支えに、久子さまの存在が

 雅子妃の心の支えの一つに高円宮妃久子殿下の存在がある。2002年に亡くなられた高円宮殿下は皇太子にとって兄のような存在。ご結婚前の皇太子と雅子さん(当時)を宮邸に誘われて、キューピッド役を買って出られたといわれる。

 久子妃は英国のケンブリッジ大をご卒業されて、通訳の仕事をなさっていた時に、カナダ大使館のパーティーで高円宮殿下と出会いご結婚された。久子妃には3人の女王がおられ、雅子妃もお三方の小さな頃から成長を見守られてきた。

 昨年10月29日には、三女の絢子さまが日本郵船に勤務する守谷慧さんとご結婚され、翌日その晩餐会が開かれた。この月は、公務が続いたため、雅子妃は体調を整えて皇太子とご出席された。絢子さまと守谷さんの華やかな姿は、希望に満ち溢れていた。

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結婚披露晩餐会での皇太子ご夫妻と、守谷絢子さん ©JMPA

 雅子妃と久子妃は、11月の「全日本中学校英語弁論大会記念レセプション」で再会された。

 会場には、中学生約150人を含む800人近い参加者が集まって、ユーモアを交えながら自分の考えを英語で主張した。中学生ならではの斬新な内容に、雅子妃と久子妃は声を出して笑われていた。久子妃のご性格は明るい。その場を和ませる力があるといわれるだけに、雅子妃も肩の力が抜けるのだろう。

 この日、優勝したのは田園調布雙葉中学校の生徒。皇太子は「この人は先輩」と言って、雅子妃を見ながら笑った。

 皇太子は中学生たちに、

「中学生の皆さんが海外の方に伝えるべき内容を持つために、自分の国の歴史や文化をよく学ぶと同時に、世界の国々のことも学び、他国の人々の状況についても豊かな想像力を持って思いを巡らす力を育んでいただくことを望みます」

 と語った。この言葉は、皇太子ご夫妻の教育方針でもある。

2020年、雅子さまお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

愛子さまのご成長が宮内庁との架け橋に

 いま高校2年生の愛子内親王は、12月1日に17歳になられた。夏には英国の「イートンカレッジサマースクール」に短期留学をされ、英国の文化や歴史、社会に触れる経験をされた。

 秋には関西修学旅行のため奈良と京都に行かれた。奈良では室生寺、談山神社、京都では清水寺、平等院などを見学。良いご経験となった。

 12月の宮内庁の文化祭でも、英国でお友だちと撮った風景やデザートといった写真をコラージュした2つの額縁を出品された。写真を観ていると、自然と楽しさが伝わってくるようだった。

 東宮家への厳しい見方を隠さなかった宮内庁だったが、西村泰彦次長は職員代表として、愛子さまの誕生日にお祝いの挨拶に訪れた。その時の皇太子ご一家の印象について、今までにない感想を会見で述べた。

「愛子さまは、非常ににこにこしておられまして、三殿下揃って大変微笑ましくというか、素晴らしいご一家だと感じました」

 愛子さまのご成長が宮内庁との架け橋になっていた―。

「ご病気なのに来ていただいて…」雅子さまの苦しい日々が財産になった“瞬間”〈愛子さまのご成長が宮内庁との架け橋に〉

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