昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/12/23

——選手としてのカズをどう評価していますか?

呂比須 日本のサッカー史上最高の選手の1人であり、Jリーグを盛り上げた最大の功労者。彼がいなかったら、今の日本サッカーの隆盛はないだろうね。

——“ジョホールバルの歓喜”として有名な1998年W杯アジア最終予選イラン戦で、岡田武史監督は後半にカズと中山のツートップを下げてあなたと城を投入しました。この出場は予想していましたか?

呂比須 そうだね。必ず出番があると考えて、準備していた。

2005年に横浜FCに加入した時の三浦知良 Ⓒ文藝春秋 撮影・近藤俊哉

——この試合前後で、カズのプレー内容をどう見ていましたか?

呂比須 アジア最終予選の序盤は素晴らしかったが、その後は故障もあって、コンディション調整に苦しんでいた。

「スター選手にはありがちな態度で…」

——結果的に、1998年W杯出場メンバーにあなたは選ばれ、カズは落ちました。彼の落選を予想していましたか? また、自分は選ばれるという確信はあったのですか?

呂比須 出場メンバーに残るかどうかについては、選手の誰もが不安を感じていたと思う。僕もそう。カズが選ばれるかどうかについても、全く見当がつかなかった。

ブラジルのサントスに来訪した時の三浦知良 Ⓒ文藝春秋 撮影・西山和明

——監督としての経験を積まれた現在の呂比須さんから見て、当時の岡田監督の決断は賛同できるものですか?

呂比須 1998年W杯の時のFW候補は中山、城、岡野、私、そしてカズ。ひとりひとりのプレースタイルとコンディションを考えると、今なら岡田さんがカズを外したのは理解できる。

——一部では、岡田監督とカズの確執も伝えられました。

呂比須 岡田さんは、チームの和を非常に大切にする人。カズは自費でトレーナー、理学療法士を雇い、海外遠征にも同行させていた。そんな選手は、チームではもちろんカズだけ。スター選手にはありがちな態度で、ブラジルならmordomia(モルドミア。特別扱いの意)と呼ばれる。これは僕の憶測だけど、岡田さんはそういうことをあまり快く思っていなかったのかもしれない。