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ゆで卵とチーズは歯に良い

松本 話が逸れますが、私、いままでゆで卵やチーズを食べなかったんです。アレルギーではなく。モゴモゴした触感が苦手で。そしたら、最近、すごく食べたくなっちゃって(笑)。プロセスチーズと茹で卵を毎朝食べるようになったんです。

宝田 それ、すごくいい。両方とも歯にいいんです。卵は完全食品なので、それ1個に、たんぱく質やミネラルなどいろんな栄養素が入っているんです。そして、歯や骨はすべてリン酸カルシウムを主成分としていますので、チーズは歯を強くする一助となります。

松本 自然とそれを欲していたんですね、私(笑)。

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野宮 私も質問です。私は60代に入ったところですが、最近ドライマウス気味なんです。ポスト更年期ということもあると思うんですが。

松本 それは私も。急に口が乾いた状態になるときがあって。喉が渇いているのかと思うとそうでもなく。

舌を回してドライマウス対策

宝田 更年期になってくると、やっぱりホルモンバランスが狂ってくるので、そうするとどうしても唾液量が減っちゃうんです。

渡辺 それは私も感じる。

わたなべまりな/1970年東京都生まれ。86年、おニャン子クラブでデビュー。翌年の解散後も歌手、タレントとして活躍。2000年代には台湾旅、ピラティスのブームの火付け役にも。

宝田 ドライマウスは、口腔乾燥症と言われるんですが、私が学生の頃は、60歳になると20歳の頃に比べて唾液が出にくくなると教科書には書かれていたし、そう学んだんです。しかしその後、学説が転換されまして、刺激をする、つまり、よく話をしたり、噛んだり、そういうことをしていると何歳になっても唾液は出続けると。

 ですから、「60だから」ということはないんです。唾液腺のマッサージをやれば回避されます。なので、改善方法としては、まずは舌を回すこと。

野宮 舌を回す?

宝田 唇の裏とその辺りに小唾液腺っていう腺組織があるんですが、そこを刺激するような感じで、上下の歯茎をなぞるようにぐるっと舌を回してみてください。

渡辺 うわ、すごい疲れる。

宝田 疲れます。でも、唾液出てくると思うんです。

渡辺 ……あ! 

松本 ああっ!

宝田 出ました?

松本 ちょっとだけ(笑)。

野宮 出ないなあ……。

宝田 じゃあ、顎の下の所を親指で押してください。舌下腺と言って、ベロの下に腺組織があるのでそこからジワ~~ッて出る。諦めないで押し続けてください。

野宮 あ、出た!

宝田 出るでしょ? ということは、みなさん、ドライマウスではありません。ですから、乾いたと思えば、舌を回すとか、腺組織を刺激するとか、ファーストチョイスをガムや飴を食べるにしないで、まずは自分に備わっている組織を使う。

 ドライマウスの人って、何をしても本当に出ないんです。その場合は、大学病院へ行くことをおすすめします。ひどくなると、ベロの上に真菌が湧いて黒くなっちゃう。漢方薬を処方したり、人工唾液を使ったり、1日70枚ガムを噛むようにとか、そういう指導がされたりするんです。

※後半では、健康な歯や歯茎を保つための、歯茎マッサージをかねたブラッシングの方法を紹介。続きは発売中の『週刊文春WOMAN vol.12(2022 創刊3周年記念号)』にて掲載。

お話を伺ったのは......歯科医 宝田恭子さん

1956 年東京都生まれ。東京歯科大学卒業後、同大勤務を経て、東京小岩の宝田歯科の3代目院長に。日本アンチエイジング歯科学会監事。最新刊は『「顔面地滑り」をくい止める! 宝田式 速効5分 顔筋リフトアップ』(PHP研究所)。

 

text:Izumi Karashima  photographs:Miki Fukano
hair&make-up:Tsukasa Mikami(Watanabe)

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