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紅白は「打ち切り危機」をどう乗り越えてきた? オワコン説とともに進化してきた“苦闘の歴史”

J-POPから見るニッポン

2021/12/27

 紅白でさだまさしの「道化師のソネット」が聴ける! これは嬉しいなあ。

 大晦日ギリギリまで流れてくる紅白歌合戦の追加情報。「もう昔ほど紅白にワクワクしないし」と言いつつ、それらをチェックし、一喜一憂する自分がいる。

 あれっ、偶然「フライディ・チャイナタウン」のカバーを聴いて「この人いい声だなあ」と感動した藤井風が、いつの間にか初出場決定しているではないか。ケツメイシも初出場! このニュースはびっくりした。近年の「紅白出場者、正式発表のあとも増えていく現象」はちょっと戸惑うが、やはり注目アーティストの名前が挙がると嬉しいものである。

 そのほかにも、エヴァンゲリオンの主題歌「残酷な天使のテーゼ」の紅白初歌唱も楽しみ。氷川きよしは美空ひばりを歌うのか! 解散を発表したBiSHのパフォーマンスは目に焼き付けておきたい。竹内まりやの「PLASTIC LOVE」、追加発表しないかな。

去年の紅白はどうだった?

 今年の紅白に想いを馳せると同時に、コロナ禍で大変な中開催された昨年の紅白歌合戦も少し思い出したい。紅白史上初の無観客、歌番組の歴史に残る回だった。ご一緒にハイライトを振り返ってみよう。

 純烈が視聴者ボタンを連動させ、紙吹雪が降るシステムを導入。思いきり紙吹雪を食べながらも紅白を盛り上げ、BABYMETALが可憐な姿でレーザービームのような歌唱を聴かせ。

 水森かおりのスルスル高く伸びる衣装を篠原ともえがデザインし、GReeeeNのアバター出演に騒然とし、角川武蔵野ミュージアムで歌うYOASOBIに新時代を感じ、YOSHIKIのリモート演奏メンバーの豪華さ、Superflyの歌唱力にひっくり返り、ベートーヴェンの「田園」を組み込んだ玉置浩二の「田園」に興奮し……。

今年の紅白で司会を務める川口春奈と大泉洋 ©時事通信社

 白組司会・大泉洋の叫び通り「ブラボー(ブラヴァー)!」な紅白だった。

 印象的だったのは、鈴木雅之が歌唱しているときに、ガランとした客席が映った瞬間。「ああ、この状態でアーティストの方はテンションを上げて歌っているのか」と胸がキュッとなった。

 たった1年前のことである。紅白を思い出すと同時に、コロナ禍真っ只中の空気感もブワッと思い出した。

平成元年には“打ち切りの危機”も

 しかし、紅白はもう面白くないと言われ続け何年経つだろう。不思議なコンテンツで、毎回「もう歌手の選考基準がよく分からないし、別の番組見ようかな」と思うのに観てしまう。

 私も毎年書いている紅白メモを見返したところ、なんと2015年から「もう観るのをやめようか」と書いていた。グループアイドルが増えて戸惑いまくっていた頃である。

 なんだかんだボヤキながらも結局観続けているが、毎年ギリギリまで迷っている。今年も、濃厚な歌謡曲ワールドが魅力的な「年忘れにっぽんのうた」に心揺れている。ももいろクローバーZの「ももいろ歌合戦」の出演者も、素晴らしく豪華だ。うーん、どれをリアルタイムで観よう。まだ迷っている!

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