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自己判断の「目薬」が逆効果になることも…「ドライアイ」への正しい対処法を眼科医に聞いてみた

 ドライアイを感じたからと言って、自分勝手に「水分を補給する」イメージの目薬を使うと、ドライアイが改善されないだけでなく、ダメージを強める要因になるかもしれないのだ。「防腐剤が添加されている点眼薬を上限より多く点眼してしまうと、ドライアイの方は眼表面に障害をおこしやすいです」(同前)というので、注意しておこう。

「防腐剤無添加の人工涙液なら、限度はありますが、一日10回ぐらいまで頻回につけても大丈夫です」と小川先生。 ©iStock.com

 それにしても、人はなぜドライアイになるのだろうか。正確に言うと、なぜドライアイになる人とならない人がいるのだろうか。

パソコン、スマホがドライアイを助長

 慶應義塾大学・内野美樹先生らが2011年に発表した論文(※2)によると、3000人規模の日本人集団で40歳以上の男女を調べた結果、女性の21.6%、男性の12.5%にドライアイが生じていたという。結構な割合ではないか。一般的なドライアイの原因としては、乾燥や加齢、コンタクトの使用、ストレス、手術の後遺症他が言われているが、近年、大きいとされているのが、PCやスマホ、ゲーム機等による影響だ。

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「パソコンやゲームの影響なのか、最近は20代30代の若い人たちの受診が増えています。特にコロナ禍以降は、20代以下のドライアイが増えている印象です」と小川先生。PCやスマホ、ゲームに集中すると、瞬きをするのを忘れてしまうが、「通常は瞬きをするごとに、涙が補給されているのです」(同前)。

 なんと、瞬きは目を守ってくれている涙の「補給スイッチ」でもあったのだ! 全然押していなかった……。