12月28日朝8時、エイベックス株式会社代表取締役会長の松浦勝人氏(57)がYouTubeで生配信を行った。タイトルは《【緊急配信】もう我慢の限界です、全ていいます。そして訴えます。》だ。
松浦氏は取材班の一員である若手記者に電話をかけ、「質問に今から答えましょうか、答えますね」と語りはじめた。
動画では、文春オンラインから質問状が来たことについて、見城徹氏や高須克弥氏らに電話するなどし、記者に「この仕事してて楽しいの?」などと詰め寄る場面もあった。そして最後には「どうにかして日本に税金を払えるようにして、海外に行ける方法はないか国税に相談しますけど、僕が感じる限りないですよね」と締めくくった。
2020年5月に文春オンラインが公開した《CEO退任》エイベックス松浦氏が「偽装離婚で税金逃れ」を告白した“幻の自伝本”インタビュー音声を公開では、松浦氏が元妻との離婚に際して、こんな発言をしたと報じている。
《俺ちょっと気になるのは、慰謝料のところで、あれ国税に引っ掛かるか引っ掛からないかなっていうのが。要は税逃れなんだよ。そういう突っ込み方される可能性あるな。かっこつけて書いてるけど「結局お前税金払いたくないからそうしたんだろ」って言われるとそれも半分あるんだよ》(2017年1月17日)
この意向は、変わったということなのだろうか。
経営難に喘ぐエイベックス社員
この生配信の前日、文春オンライン取材班は松浦氏にいくつかの事柄について、文書で事実確認をしている。それを受けての“回答”ということのようだ。
取材班が松浦氏に質問状を送るきっかけになったのが、あるエイベックス社員のこんな悲痛な声だ。
「エイベックスは2017年12月に建て替えたばかりの本社ビルを売却し、2022年3月を目処に港区三田へ本社を移転する予定になっています。理由は経営難です。希望退職の募集などもありましたが、それでもエイベックス社員は1000人以上います。でもみんなが“食っていける”ほど稼げるアーティストを輩出できずにいるんです。コロナ禍の影響もあってライブ事業も苦しい。今年、私が貰ったボーナスは一桁万円です……。
そんななかにあって松浦さんは贅沢のし放題で、その様子をYouTubeやInstagramで自慢げに公開しているんです。社員からすると、もう怒りを通り越して悲しくなってしまいます」
エイベックスはかつて一世を風靡したエンタメ企業だ。日本の芸能に大きな影響を与え、1998年には一部上場も果たしている。しかし2021年3月期には営業利益が大幅な赤字に。社員はもちろん、株主にも不安が広がるなか、エイベックスの“顔”でもある松浦氏の一挙手一投足に注目が集まっている。
確かに、松浦氏の生活は華やかだ。
2021年12月1日に公開された動画《経営者仲間と70億のプライベートジェットで鳥取まで蟹を食いに行きました!》では、約70億円するというプライベートジェットで鳥取県にある超高級蟹料理店「かに吉」に行く様子が映っている。幻冬舎社長の見城徹氏(70)やGMOの熊谷正寿氏(58)、そして秋元康氏(63)ら実業家仲間も参加しており、航程でカラオケに興じる様子も確認することができる。