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経歴詐称、母の給付金詐欺…政界を騒がす「もう一人の女性」
メディアでは連日、大統領選関連のニュースが流れるが、いずれも両候補を巡るスキャンダル、失言、野党に至っては内紛話ばかりだ。
李候補を巡る最大のスキャンダルは都市開発疑惑だ。城南市長時代に進めた都市開発で資産管理会社の幹部が背任行為をしていたことが明るみに出て逮捕者が出た。この事件に李候補者が関与していたのではないかという疑惑は今も燻り続けている。さらに、この捜査では取り調べを受けていたふたりの人物が自ら命を絶っており、この人物との関係も取り沙汰された。
また、私生活では女優との不倫疑惑に始まり、自身もあっさり認めた修士論文での剽窃、子息のポーカー賭博行為などが俎上に載せられた。
一方、尹候補へ大きな痛手となったのは夫人の経歴詐称だ。夫人は当初こそ否定していたが、結局、一部事実を認め、謝罪に追い込まれた。さらには、義母が療養型病院の運営をめぐって多額の給付金をだまし取っていた詐欺事件の1審で懲役3年となっており、夫人の経歴詐称と合わせて与党からの格好の攻撃材料となった。そして、失言が多すぎるという批判が出ている。
こんな選挙戦に有権者は嫌気が増しており、昨年末の世論調査では、支持層の間で野党「国民の力」で70%が、与党「共に民主党」では35%が「大統領選挙候補者を交代すべき」と回答したという結果が出た。中でも20~30代の60%以上が「候補者交代」が必要と返答している。この世代は今回の大統領選挙最大の浮動層とされ、両選挙陣営とも取り込み必至といわれる層でもある。