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現役東大生との体験に「洗脳ではないですけれども…」

――それで東大は理科II類を受けたのですね。紀野さんの受験勉強のエピソードで、バレエのレッスン前にもストレッチしながらノートを開いていた、というお話が印象に残っています。

紀野 放課後は習い事が忙しくて、まとまった勉強時間を確保できなかったので、スキマ時間にコツコツと積み重ねるしかなかったです。そのあたりの工夫を、今回の本にまとめました。

――東大を目指す以前から、そうした積み重ねをされていたのですよね。当時のモチベーションは何だったのですか。

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紀野 実は、中1の時から京都大学に憧れていたんです。お恥ずかしい理由なんですけど……私は和菓子が大好きなので、京都ならおいしいお店がたくさんあるじゃないですか(笑)。京都の風情が好きなのもあって、「京都の人になりたいな」と。そんなぼんやりした理由で志望していたので、結局、あまり偏差値の変わらない東大へ流れたのかなと思います。

――現役東大生から具体的にお話を聞く体験は、それだけ大きかったということですね。

紀野 そうなんです。東大生も京大生も身近にいない状態だったので、大勢の東大生から東大の魅力を語られると「なんてすばらしい大学だ!」と。洗脳ではないですけれども、感銘を受けてしまいました(笑)。

©佐野円香/KADOKAWA

「スマホは自宅リビングでのみ」がルールだった

――なるほど(笑)。ご著書でもう一つ印象的だったのが、スマホの利用についてご家庭でルール設定をされていたという点です。今、受験生もそうですし、大人でもスマホとの付き合い方が難しいと感じている人が多いと思うので、少し詳しく聞かせてください。まず、携帯電話は何歳から持っていましたか。

紀野 ガラケーは小1から防犯のために持っていました。北海道は車社会なので、公文など習い事の送迎のために電話をするくらいの使い方でしたね。高学年になると中学受験の塾に電車で通いはじめたので、同じ塾に通う子との待ち合わせに使っていました。

――小学生のうちは、あくまで連絡手段だったわけですね。

紀野 はい。スマホは中1の途中からです。スマホが普及しはじめた頃で、クラスメートも入学時点ではガラケーで、学年途中で替えた子が多かったです。

――ご著書によると、スマホは自宅リビングでしか使わない、というルールがあったとか。

紀野 中高と学校にはほぼ持っていかなかったですね。そういうルールを母が提案してきて、私が「いいよ」と答えて決まりました。当時は家で使うだけで充分だと思っていたので。あとは小学生の頃と同じく、習い事へ行く時に持っていくくらいですね。

――ご自宅ではどんなことに使っていたんですか。

紀野 友だちとLINEするという学生らしいことは普通にしていましたし、ゲームも結構好きだったので「ツムツム」だけはしていました。