TBS『東大王』にレギュラー出演し、著書に『勉強「しなきゃ」が「したい」に変わる 成績が上がる学びの習慣』がある紀野紗良さん。現在は東京大学農学部4年生。学内外の活動で忙しい日々を送っています。北海道出身で、高2の頃になぜ東大受験を目指そうと思い立ったのか、受験生の頃に実家で設定した「スマホルール」の極意、女子は少数派である農学部で過ごした4年間について、詳しく伺いました。(全2回の1回目/後編に続く)
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東大を目指すようになったきっかけ
――初の著書『成績が上がる学びの習慣』(KADOKAWA)が話題になっていますね。紀野さんが初めて東大に足を踏み入れたのは小学2年生の時で、キャンパスツアーに参加されたとか。それが東大を目指すきっかけになったのですか?
紀野 いえ、当時は自分が東大生になるなんてまったく思っていなかったです。テレビに出ているような東大生は、住む世界が違うというか、雲の上の存在という意識がありました。
――では、その時は観光のような感覚ですか。
紀野 はい。地元の北海道から東京へお友達のご家族と一緒に遊びに行って、劇団四季の『ライオンキング』を観るついでで時間があるから、と参加したような記憶があります。
――そうなんですね。雲の上の存在だった東大生になりたいと思ったのは、いつ頃ですか?
紀野 高2になる直前の春期講習から目指すようになりました。駿台予備校の選抜制の講習で、お手伝いに来た現役東大生たちが、受験のことや東大での学生生活について詳しく聞かせてくれて。「東大って魅力的だな」と思ったのがきっかけです。
――特に魅力を感じたことは何だったのでしょう。
紀野 東大は他大学と違って、1年生から2年生の途中までは全員が教養学部に所属して、文理問わず幅広い科目を履修できるんです。そこがいいなと思いました。
――その先の専門課程は、今いる農学部へ進学しようと想定していたんですか。
紀野 入学当初は決めていなかったです。実は大学受験でも、私立は法学部を受けていました。興味のあることが色々とあったからです。ただ、文転のほうが理転よりも楽なので、ベースは理系というのは揺るがない選択でした。