JR東日本と伊豆急行は、2022年1月7日から3月31日まで、特急「踊り子」の一部の列車で半額セール「お先にトクだ値スペシャル」を実施する。東京~伊豆急下田間がおとな1人あたり6,060円のところ、なんと3,030円。言い換えれば片道分の正規料金で往復できる。半額だからあたりまえだけど。

横浜駅に停車する「踊り子」号

「踊り子」は「東海道線特急」だ

 ところで、この半額セールを告知する「報道発表資料のタイトル」が興味深い。

 2021年11月19日にJR東日本の公式サイトに掲出されたタイトルは「東海道線特急『踊り子』40周年!『お先にトクだ値スペシャル(乗車券つき)』(50%割引)を発売します!」だった。長いけどわかりやすいタイトル。しかし「東海道線特急」だ。「伊豆特急」ではない。「踊り子」の列車名の由来は、川端康成の代表作『伊豆の踊子』でしょう。なぜ、わざわざ「東海道線特急」と表記したか。

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 筆者はいままで数回しか「踊り子」に乗ってないけれど、あるとき「東海道本線内の利用者が意外と多いな」と思った。観察すると「東京駅から乗って小田原で降りる」「横浜から乗って熱海で降りる」という乗客が少なからずいるし、「品川から大船」という乗客もいた。そんな短距離でも特急に乗る人がいるとは驚きだ。

 ちなみに東京~熱海間で「踊り子」に乗ると普通車指定席、割引ナシで3,560円だ。これを普通列車グリーン席にすると2,780円で済む。所要時間は「踊り子」が1時間20分前後、普通列車が1時間40分前後。20分の差と料金のバランスをどう見るか。筆者はオンボロ「踊り子」の185系電車指定席ではなく、もっと新しいE233系やE231系の普通列車グリーン2階席に乗る。そのほうが乗り心地も車窓の見晴らしもずっと良い。

先代の「踊り子」(185系電車)

「踊り子」の東海道本線だけを利用する気持ちもわかる。東京~熱海間は104.6km、小田急ロマンスカーの新宿~小田原間は82.5kmだから、「100km前後の移動は特急で行く」という習慣かもしれない。京成スカイライナーの京成上野~成田空港は64.1km、西武鉄道の池袋~西武秩父間は76.8kmだ。