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グレードアップした伊豆特急「サフィール踊り子」と「踊り子」を乗り比べてみた

40周年を迎えた「踊り子」は、一気に若返った

2022/01/09
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新型「サフィール踊り子」に乗ってみた

 後継する「サフィール踊り子」はすべての座席がグリーン席で、5号車から8号車までは1+2の3列配置。おひとり様でも相席の心配はなく快適だ。

 1号車はさらに上等のプレミアムグリーン車で、なんと1+1の2列配置という贅沢さ。この2列座席は海側にあって、通路は山側。2人で隣同士にしても、1人ずつで使うとしても適度な間隔だ。バックシェルがサイドに回り込み、横顔を隠せるところもさりげない配慮といえる。

 4号車は食堂車、2号車と3号車は個室車両で、最大4人用と最大6人用が2つずつ。ちょっと覗いてみたけど、まるで応接間みたい。

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プレミアムグリーン車
6人用個室はまるで応接室のよう

 2021年11月某日。伊豆へ取材に行く用事があった。横浜から伊東まで、いつものように普通列車のグリーン車にしようと思っていたけれど、旅立つ前日にサフィール踊り子の空席状況を見たら、プレミアムグリーン席がひとつだけ空いていた。1週間前は満席だったはず。うーん、これは私のために神様が用意してくれたに違いない。通路側だけど。

 新宿発12時25分発の「サフィール踊り子5号」は湘南新宿ラインのルートで南下して、渋谷、武蔵小杉、横浜に停車。横浜から熱海までノンストップ。「こだま」停車駅の小田原も通過する。

新宿駅に停車する「サフィール踊り子」

 私の座席は1号車3Bで通路側だけど、窓が大きいから海側の景色もよく見える。前方の景色も、ほとんど空だけど見える。バックシェルタイプのシートを倒したら、天井にも空があった。「サフィール踊り子」はすべての車両に大きな窓を採用して眺望に配慮したほか、天窓もあって陽光がさんさんと降り注ぐ。

 新宿を発車した時点で乗客はまばら。新宿発は週末の臨時列車1本だけだから認知度が低いかもしれない。渋谷駅プラットホームではたくさんの人がこの列車に注目しており、珍しさもあってスマホで写真を撮る人も多い。乗客としてはちょっとした優越感だ。武蔵小杉で私の後ろの席にカップルが座り、すこし賑やかになる。そして横浜駅で予約通りに乗客が埋まった。横浜からのる人が意外と多かった。