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あばれる君本人を直撃すると…

 Mr.冒険少年・あばれる君は、こうした過剰ともいえる演出について何を思うのか。東京に大雪が降った1月6日、本人を直撃した。

――文春オンラインです、『冒険少年』おつかれ様でした。

「ありがとうございました」

――実は、内部の方から告発がありまして、『冒険少年』で使っているA島でのロケを、僕らも見させて頂きました。島からの脱出の際、イカダを船で牽引していましたよね?

記者の直撃取材に応えるあばれる君 ©文藝春秋 撮影:細田忠

「あーーーー」

――ロープで引っ張られて。

「はいはい」

――当日は波が高かったですし、日も暮れて寒かったり、いろいろと事情はあると思うのですが…。

「そうですね…その、波とかの状況も…。すいませんが事務所に聞いて頂いてもいいですか? 申し訳ないです」

©文藝春秋 撮影:細田忠

――サバイバルが大好きなあばれる君としては、過剰な演出はなしでしっかりとやりたいお気持ちもあるのでは?

「しっかりとやりたいです」

「そこは番組サイドのことなので、すいません」

――こういった演出は、バラエティ番組とはいえ度を超えているという声もあります。

「申し訳ないです…。ただ、あのすげぇツライですね。実際竹だって16本あったらイカダもつくれるので」

ーー釘ナイフはスタッフさんが前日に準備したものですか?

「でも、あれは実際作っているんで。1600度で叩いているので」

――確認ですが、あばれる君としては過剰な演出なしでしっかりやりたい?

「もちろん。しっかりやっていますしね。実際、ケガというか傷とかも残っていて。体もはってきているので…」

©文藝春秋 撮影:細田忠

――だからこそ、船での牽引などはなくてもやれたのでは?

「まあ、ちょっと…そこは番組サイドのことなので、すいません」

 記者の言葉にうなずき、迷いながらも丁寧に対応してくれたあばれる君。質問に答えると、雪のなか自宅へと帰っていった。

 あばれる君の所属事務所、ワタナベエンターテインメントは下記のように回答した。

「TBSに問い合わせてください」

 TBSにロケ中のさまざまな疑惑について質問状を送ると、以下のような回答があった。

 スタッフが作っていた釘ナイフやイカダの加工については、こう答える。

「安全確認などのため、シミュレーションとして行なったもので、現地には持ち込んでいません。放送では、出演者自ら作成しています。(製作のために)一部資材を持ち込んでいます」

 また、あばれる君が作ったとされるイカダや、脱出時の船での牽引については、こう答えた。

「イカダは、安全面や環境面を考慮して、専門家の指導の下、出演者とスタッフが一緒に作っております。この日は、海が荒れていて、潮の流れも速い危険な場所があったため、船の専門家とも相談しながら、安全な場所にイカダを牽引することがありました。また、イカダや出演者に設習した小型カメラのバッテリーを交換するため、イカダの位置が流れでなるべく変わらないよう牽引も行っています。

 低体温症防止など出演者の安全管理のために、船に上がってもらい、体調のチェックを行いました。上述のように海が荒れていて、潮の流れも速いことから、安全な場所へこのイカダの牽引も行いました」

 TBSは牽引行為やあばれる君を船に乗せワープ移動させたことについて、出演者の安全面を考慮しての対応だったことを主張する。

 だが、今回共演したハリセンボンには「高波でイカダが先に進まず島を脱出できない」という理由でスタッフがリタイアを提案し、その後ハリセンボンは脱出を断念。また、海上でイカダが壊れ、浮きにしがみついたSexy Zoneの菊池風磨にもリタイアを強制している。もとより牽引やワープ行為があり、大勢のスタッフがイカダを製作しているような状況の中で、企画の大前提となっている「脱出タイム」など計れるのだろうか? 

 もちろん、あくまで「アイ・アム冒険少年」はバラエティ番組だ。

 だが、放送倫理・番組向上機構(BPO)はこれまでにも、やらせ疑惑が報じられた「世界の果てまでイッテQ」(日本テレビ系)や「クレイジージャーニー」(TBS系)といったバラエティ番組でも、過剰な演出に対しては「事実と異なるナレーションやスーパーで多くの視聴者が番組に求める約束に反したものだった」ということを理由に放送倫理違反があったと判断している。

 最後に取材班はTBSに「過剰な演出が“やらせ行為”にあたるのではないか」として見解も問うたが、その質問への回答は得られなかった。

 あばれる君の決死の脱出を信じ、目を輝かせていた「全国少年少女諸君」に、番組はどんな説明をするのだろうか?

 1月9日(日)21時からの「文春オンラインTV」では本件について担当記者が詳しく解説する。

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