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筋の悪い仕事を見わける危機管理能力

 経験上、第1通目からメールのフォーマットが完全に崩壊していたり、相手の都合に構わず一方的にメルマガを送りつけてくるような人は、その後も非効率的だったり迷惑だったりする行動をとることが多い。

 たとえば「おじさんメール」の書き手の場合、ささいな要件でも常に電話を掛けてくる、やけにオフィスに呼び出す、オンラインストレージの使いかたがわかっていない、報酬の支払いにあたっては請求書をプリントアウトして手書きのサインと押印したものを郵送してほしいと求めてくる――。などの傾向を指摘できるだろうか。全体的な傾向として、電話と郵便の使用頻度が高い。

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 本来の作業コストとは別の手間暇が必要でモチベーションが低下していくので、報酬に見合わない苦労を背負いこむことになりがちだ(もちろん、相手と面識があるなどして「手間が必要でもいっしょにがんばりたい」と納得できる場合は、ちゃんと引き受けよう)。

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「おじさんメール」や「おじさんメルマガ」に限らず、文面が異常に元気だったり慇懃無礼だったりして強い違和感を覚えたときは注意が必要だ。慣れてくると、新規の仕事でトラブルが起きる可能性は、最初の数通のメールだけでなんとなく判断できるようになる。

 簡潔でわかりやすいメールを書ける能力を得ることは、筋の悪い仕事を見わける危機管理能力を涵養することにもつながるのだ。

 文章術は身を助けるのである。

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