前日設営にはおよそ1000人が参加
コミケ開催を翌日に控えた12月29日朝、会場となるビッグサイトの入口に向かうと、コミケ設営の受付ができていた。例年であれば前日設営は集合時間に集まるだけでよいのだが、今回はコロナ禍の中ということもあり、設営参加もチケットサイトで事前登録を行う必要があり、事前登録の段階で参加者にも上限が設けられていた。
前日設営には朝9時集合の測量と、11時30分集合の設営の2通りがあり、筆者は測量から参加している。チケットで定められた上限は測量が300人、設営が700人となっており、前日設営にはおよそ1000人が参加することになる。
検温とチケットのQRコード読み取りを済ませ、参加証となるリストバンドを受け取って館内に入る。エントランスホールには既に多くの人が集まっている。ざっと見回したが、コミケの参加者平均よりやや高めの年齢層が多く、力仕事であることもあってか男性の比率が高いようだ。皆から2年ぶりの開催への期待と熱気が伝わってくる。
9時を過ぎると、設営マニュアルの配布が行われ、スタッフの挨拶と説明に入る。準備会の筆谷芳行共同代表も挨拶に立ち、「今までのコミケットに戻す。そのためにちゃんとやっていく」との開催に向けた決意表明がなされた。また、質疑応答の中で本日の参加者数について問われると、測量の300人は満了。設営も600人以上が参加しており、例年通り1000人近い参加者となるという。
説明後、エントランスホールから設営するホールへ向かう。筆者は東館の設営を行うことにして東館へと向かうが、ここまで人気のないビッグサイトは初めての経験であった。
とんでもない所に来てしまったのではないか
東館に着くとまだホールのシャッターは閉まっており、シャッター前でベテラン参加者が説明を行っていた。ベテラン参加者は集まった参加者に設営経験の有無をたずね、筆者を含む初参加者が手を上げるとこう切り出した。「ようこそ! ジャンキーの巣窟へ!」。
『ジャンキーとはとんでもない所に来てしまったのではないか』と、四半世紀コミケ通いしている筆者も自分のことを棚に上げて不安になったが、その後にベテラン参加者は挨拶を交え、コミケが開催されなかった2年間を振り返り、自身が前年結婚したことを報告すると、周囲からは拍手が起きた。人間的な温かみのあるジャンキー集団だ。