愛子内親王は2021年12月1日に成人を迎え、ここ最近、メディアでは彼女への注目が集まっているようにも思われる。
12月5日の成年行事で黒田清子さんからティアラを借用し、新調を見送ったことなども、好意的にとらえられている。「堂々とした内親王の風格と気品を感じさせるお姿」と報じる記事もあった。
今年1月1日の新年祝賀の儀も、成年皇族として初めて参加した行事ということもあり、愛子内親王に関する報道が中心であったように思われる。
上皇・上皇后への新年のあいさつのために仙洞仮御所を訪れた際には、車中後方で天皇・皇后にはさまれた愛子内親王の写真が報道され、3人の家族の仲の良さを示すものとして、やはり好意的な反応があった。
愛子さまのあゆみが見直されている
こうした傾向の代表的な例として、コラムニストの矢部万紀子氏の次の文章がある。矢部氏は愛子内親王の成年にあたっての「ご感想」やこれまでの作文を振り返り、その文章のなかから「文才」と「ぶれない」姿勢を感じ、愛子内親王の落ち着いた様子を「孤高」と表現して高く評価している(「AERA」2021年12月20日号)。成人になったことで、これまでのあゆみなどが見直され、その点からも注目を浴びているように思われる。
また、「文藝春秋」も2022年2月号でノンフィクション作家の石井妙子氏が「愛子天皇への道」という文章を寄せている。
政府の有識者会議では女性天皇・女系天皇の問題には踏み込まず、とりあえずの皇族数の確保という課題に限定した答申が出されたが、それに対してこうしたタイトルの文章が発表されること自体(その内容は近現代の女性天皇に関する論議を紹介したものだが)、愛子内親王への注目が集まっているからだとも言えるだろう。