小室眞子さんの結婚を巡る秋篠宮家批判のはけ口に
とはいえ、こうした状況に対して、「毎日新聞」では編集委員の伊藤智永氏が、「年末年始の雑誌がこぞって『愛子天皇』待望キャンペーンを張っている。困った」と書いた(2022年1月8日)。なぜ困ったのか。女性天皇・女系天皇を認めるべきと主張してきた伊藤氏にとっては、その状況は一見すると良いように見えるけれども、「小室眞子さんの結婚を巡る秋篠宮家批判のはけ口に持ち出されているのが明らかだからだ」という。
まさに、昨年までの小室眞子さんと小室圭さんの結婚をめぐる問題が、愛子内親王への期待感に大きく影響を与えている。平成の時期、むしろ現在とは状況は逆であった。眞子内親王と佳子内親王はメディアで注目され、新しく登場してきたインターネットのなかでも好意的に取りあげられて秋篠宮家の評価は高かった。
一方、皇太子家は雅子妃の病気にともなう公務への取り組みに対するバッシング、愛子内親王の不登校やその後には学校へ付き添う雅子妃の姿などが批判の対象となり、保守派のなかからは、皇太子夫妻の離婚や「廃太子」論まで登場したことがあった。皇太子家は批判の対象となっていたのである。
これが、「代替わり」前後からシーソーゲームのように急に逆転する。即位が近づくなかで、徳仁皇太子・雅子妃への注目が集まり、その人物像や取り組みにメディアや人々の目が向けられたことも大きい。
「私」を重視したかに見えるその行動が世間の批判を呼んだ
しかしやはり大きなポイントは、眞子さんの結婚問題であろう。「私」を重視したかに見えるその行動が世間の批判を呼び、秋篠宮家全体に影響していく。こうした反動から、愛子内親王への人気が高まっているようにも見える。もちろん、前述したティアラを借用した話などは、新型コロナウィルスの現在の状況を踏まえ、国民生活を重視して支出を抑えた、つまりは「公」を重視したと見えて評価された部分もあるだろう(それも眞子さんの問題への反動と言えるだろうか)。一方で、愛子内親王は未だ本格的な公務は行っていないため、現状はその点を踏まえた評価とも言えない点もある。