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「無名の高校生にこんな可能性を秘めた子がいるんだ」実力者でありながらプロテストには不合格…プロゴルファー原英莉花を導いたジャンボ尾崎の“意外なアドバイス”

『誰も書けなかった ジャンボ尾崎』より #1

2022/02/04
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ジャンボと原選手との出会い

 原英莉花選手がジャンボ邸に練習に来たのは、確か高校2年生の頃だったと思います。

 ジャンボの長男、智春君が

「金子さん、すごい女子高校生がいるんですよ! 今度連れてきますから見てくださいよ! ジャンボもビビると思いますよ」

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 と、私に言ってきました。

 それから数週間後に、私は初めて原選手をジャンボ邸で見ました。その当時からジュニア界では有名だったと思いますが、西郷真央選手や笹生優花選手のように大きな大会で優勝した経験はなかったと思います。

 最初の印象は、背が高く、手足が長く、少しきゃしゃな可愛い女の子に見えましたが、彼女のスイングを目の当たりにして、その躍動感と気持ちいい振り抜きに、何とも言えない可能性を感じました。

原英莉花選手 ©️文藝春秋

 高身長(173センチ)でありながらも下半身を使った躍動感あふれるスイングは、女子プロの世界でもあまり見たことがありませんでした。そのポテンシャルの高さにジャンボも驚嘆したと思います。

 私は20年以上、解説をさせていただいているJLPGAツアー「ゴルフ5レディースゴルフトーナメント」のプロアマで毎年女子のトップ選手とラウンドしたり、試合を観てきたので、主流である女子プロゴルファーのスイングレベルを把握してきたつもりです。そんな中でも、「無名の高校生にこんな可能性を秘めた子がいるんだ」と驚きました。