1ページ目から読む
5/5ページ目

まだまだ無限の可能性を秘めている

 ジャンボから原選手への指導方法も非常にシンプルです。それは、原選手が自分(ジャンボ)の言っていることを解釈可能だと考えているからです。スイングよりも球筋を意識させる練習が多く(これは、上級レベルの選手に対しても同様)、「良い球を打てるスイングが良いスイング」というジャンボの原点がそこにあります。

 原選手は、ジャンボ以外のアドバイスも素直に聞き入れます。時々、私がアドバイスを送っても同様です。これは、彼女が複数の人間からアドバイスを受けても、「マッチしたものは受け入れ、そうでないものは外す」という処理能力に長けている証です。

 まだまだショートゲームやパッティングに安定感が希薄なようですが、そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところです。ジャンボには、世界レベルの選手にならなければ認めてもらえないはず。それは彼女が、そのステージにふさわしい選手だと考えているからです。

ADVERTISEMENT

 彼女自身から「気分屋で気持ちのコントロールが、まだ上手くできていない」という発言もあったようです。いずれにせよ、まだまだこれからの選手であり、無限の可能性を秘めていることは間違いありません。

原英莉花選手 ©️文藝春秋

 今後はUSLPGAツアーにも積極的に参戦するでしょう。近い将来、世界のメジャートーナメントで優勝することが、何よりもジャンボへの最大の恩返しであり、彼女にとっての目標だと思います。

【続きを読む】「今日は何球打った? やりたくないなら帰れ」ジュニア選手にも容赦ない檄を飛ばす…“ゴルフ界の伝説”ジャンボ尾崎のジュニア指導流儀とは

誰も書けなかった ジャンボ尾崎

著:金子 柱憲

主婦の友社

2021年12月18日 発売