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公共交通は技術とコラボレーションしていくべき

――それは高齢化が進む今こそ大きな意味を持つことになりそうです。

三日月 誰もが好きなときに外出して行きたいところに行けるようにする。それは健康な滋賀県を作る上でも大切な要素です。国会議員時代に交通政策基本法の立法に関わったのですが、国交省の職員やスタッフと話したのは「僕たちが30年後、40年後に行きたいところに行ける、孫に会いにいける、そんな交通を作りたいね」と。バリアフリーで低料金でね。そのためにはどうすればいいかという視点で交通政策基本法を作りました。ですから、それを鉄道会社出身の知事として具現化していきたいなと。

京阪京津線

――これからは自動車ひとつとっても自動運転など新しい技術が出てきていますし、シェアリング・エコノミーも徐々に浸透してきているように感じます。これからの公共交通を、元鉄道員の知事としてはどのようにお考えですか?

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三日月 これからの交通は大きく変わっていかなければならないと思っています。鉄道だけでフォローできないエリアにはバスも大事。バス停まで歩くのも大変という方のためには何ができるのか……。自動運転技術が安全に普及していく道筋ができたなら、公共交通は技術とコラボレーションしていくべきでしょうし、バリアフリー施策を含め、誰もが自由に移動できる社会をデザインしていくべきです。限界はあるのかもしれないですが、すべての人が気軽に自由に出かけられるように、可能性を追求していきたいですね。古くは東海道と中山道が交わる交通の要衝、ここ滋賀県から交通の「新しい地図」を発信できるような仕事をしていきたいと思います。

 

写真=鼠入昌史 

みかづき・たいぞう/1971年生まれ。滋賀県大津市育ち。大津市立日吉中学校で生徒会長、滋賀県立膳所高校で生徒会長を務める。一橋大学経済学部卒業後、1994年にJR西日本に入社。駅員、電車運転士、営業等に従事。JR西労組中央本部青年女性委員長(専従)、JR連合青年女性委員会議長を歴任。2002年、松下政経塾に入塾し、03年11月に衆議院議員初当選(以降、4期連続当選)。民主党政権下で国土交通大臣政務官、国土交通副大臣を歴任。2014年7月、滋賀県知事に就任。「新しい豊かさ」を実感できる持続可能な滋賀をめざして「琵琶湖新時代」の創造に取り組む。知事就任後から始めた俳句を詠むことが楽しみの一つ。好きなものは、ふな寿司、しそジュース。