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《草津町長選挙ルポ》「もう許さない方がいい」「“セカンドレイプの町”と言われても仕方ない」セクハラを告発された現職町長(74)と女性元町議(52)が繰り広げた、批判チラシ飛び交う“温泉街の争い”

《草津町長選挙ルポ》「もう許さない方がいい」「“セカンドレイプの町”と言われても仕方ない」セクハラを告発された現職町長(74)と女性元町議(52)が繰り広げた、批判チラシ飛び交う“温泉街の争い”

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「新井氏のセクハラ告発が本当だったかどうかはもちろん私にはわかりません。ただ黒岩町長の集会で、町議会の議長が新井さんに対して『NOを突きつけましょう』という応援演説をしていたのには驚きました。公平な立場であるべき議長が個人攻撃をすることも、それを許している町長もおかしい。これでは“セカンドレイプの町”と言われても仕方ない部分がある」

 5日間に渡る選挙戦を終え、草津町長選挙は1月23日に投開票が行われた。結果は黒岩氏が前回を上回る2484票を獲得し、4選を果たした。当選を受け、黒岩氏は集まった支援者たちの前でこう語った。

投票日の夜、当選を確実にしてだるまに目を書き入れる黒岩氏 ©文藝春秋

「今回の選挙は本当に大勝利でした。選挙中では旅館の女将たち、商工会の女性たちが総勢15人で応援に駆け付け、『草津は女性に優しい町』だとアピールしてくれました。今や草津は世界に誇れる町になりました。これにさらに磨きをかけた街づくり、草津町民のみなさまのために最後の仕事として取り組んでまいりたいと思います」

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 新井氏は141票と伸び悩み落選。「不利な戦いではありましたが、もう少し数字は健闘したかったです」と悔しさをにじませた。ただ、今回の黒岩氏の選挙活動の中で、支援者である中澤氏への誹謗中傷があったとして、公職選挙法違反に問えないか検討すると語った。

新井候補の選挙事務所 ©文藝春秋

「町民を馬鹿にして、もう許さない方がいい」

 結果として現職の圧勝に終わった今回の選挙だが、黒岩氏が新井氏に対して起こした訴訟については検察の捜査が続いている。黒岩氏本人が語る。

「新井氏に対する訴訟は私個人で合計4つ抱えています。町としても名誉棄損で彼女を訴える用意があります。草津を貶められて、町民を馬鹿にして、もう許さない方がいいと議長たちが言い出したのです。ただ、議会には法人格がないので、その場合は私の名義で訴えることになります」

草津温泉は日本一の自然湧出量を誇る ©文藝春秋

 選挙が終わっても町長の疑惑をめぐる騒動はしばらく続きそうだ。温泉旅館の従業員が漏らす。

「黒岩町長にはお世話になっているので今回も現職に投票しました。ただ、この騒動はいつまで続くんだろうというのはあります。もちろん新井氏が告発したようなセクハラはなかっただろうと信頼はしていますが、早く静かになって欲しいものです……」

《草津町長選挙ルポ》「もう許さない方がいい」「“セカンドレイプの町”と言われても仕方ない」セクハラを告発された現職町長(74)と女性元町議(52)が繰り広げた、批判チラシ飛び交う“温泉街の争い”

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