〈あらすじ〉
マサチューセッツ州の海辺の町に暮らす17歳のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、両親と兄の4人家族の中で唯一の健聴者だ。幼い頃から家族を支える“通訳”係として、毎朝家業の漁業を手伝っている。新学期が始まると、密かに憧れていたマイルズ(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)と同じ合唱クラブを選択する。顧問のV先生(エウヘニオ・デルベス)はルビーの才能を見抜き、秋のコンサートでマイルズとデュエット曲を歌うことを言い渡し、名門音楽大学への進学を強く勧める。しかしルビーの歌を聴くことができない家族は、進学に反対する。
〈解説〉
2014年のフランス映画『エール!』のリメイク。家族から自立する主人公を描く。監督・脚本は『タルーラ ~彼女たちの事情~』のシアン・ヘダー。2021年のサンダンス映画祭で四冠受賞。112分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆ヒロイン役女優以外、実際に耳の聞こえない俳優たちという事実に驚く。明るく愛情深い一家。娘を別世界に送る度量。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆海上の歌声は強力な先制攻撃だが、以後の語りが意外に型を破れない。可愛くて感じのよい話に傾きすぎたのが惜しい。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆のびのび歌うルビーが魅力的。両親の率直さに悪意は感じず後半の娘を想う姿がより際立つ。V先生の指導も面白かった。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆仏映画『エール!』が全面的に品質向上。主人公の好きなシャッグスをはじめ選曲が良く、個々のキャラも愛嬌たっぷり。
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洞口依子(女優)
★★★★☆聴覚障害の家族を持つ少女が悲劇的に描かれていないのが好き。そっと寄り添うマサチューセッツの海辺の町がまた好い。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『コーダ あいのうた』(米)
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
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