タイトルの「小さな習慣」とは、〈毎日これだけはやると決めて必ず実行する、本当にちょっとしたポジティブな行動〉のこと。たとえば腕立て伏せ1回。10年間も運動不足だった著者は、そこからスタートして今では、本格的な筋トレをこなすようになったとか。シンプルな提言と、心理学、脳科学など、それを支える骨太な科学的記述が読者に受けてか、刊行から半年余り、順調に版を重ねている。
「下訳を読んだ時点で、コンセプトが明快で、しかも説得力のある内容だと思いました。ですから装丁や紙面のデザインはシンプルなものにしたんです。本文の構成にはやや複雑なところがあったのですが、その点も日本で独自に、内容がイメージできるような見出しをくわえ、より読みやすい形に編集しました」(担当編集者の土江英明さん)
しっかりとした内容だが、リーダビリティは高い。くわえて表紙の可愛らしさもヒットを後押しした。
「原著は写真を使った、いかにもビジネス書然とした表紙なんです。デザイナーのアイデアで、それを可愛らしいクマのキャラクターを使ったものに変えました。最初にデザイン案を見たときはかなり驚きましたね(笑)。でも結果として、表紙の力で書店の店頭やネットで強い存在感を発揮できました。内容の良さはもちろんですが、ひとつひとつの小さな積み重ねがヒットに結びついたように感じています」(土江さん)
2017年4月発売。初版6000部。現在9刷9万部