著者は都内大手病院で働く理学療法士。医学的リハビリテーションの専門職として長年蓄積した、高齢になってもしっかり自分の足で歩く筋力を維持するためのノウハウが本書には詰め込まれている。親本の刊行は2006年。翌年に文庫化され、約10年間じわじわと売れ続けてきたが、今年に入って大阪の書店がプッシュしたことをきっかけに再ブレイク。今年だけで10万部以上を売り上げた。
「これまでの読者層は高齢者が多かったのですが、今年に入ってからは30代の人にウケています。著者の見立てでは、今の30代以下の世代は幼いころからベビーカーに乗せられていて、幼少期の鍛え方が足りない。だから若くして膝を悪くしたり、アキレス腱を切ったりする傾向が強いらしいんです。そうした背景もあり、若い方が手に取ったのではないでしょうか」(担当編集者の森下康樹さん)
たとえば腹筋が弱まると腰痛になり、疲れやすくもなる。しかし正しい歩き方と筋力に応じた腹筋運動をするだけで、症状は改善できる。筋肉の働きにまで遡る論理的な解説が魅力だ。
「そうしたしっかりとした解説は説得力につながりますよね。どこの筋肉がどう体に作用しているのかわかっていないと、トレーニングにも身が入らないですから」(森下さん)
好評を受け、年内には図解を増やし、サイズも大判にした『図解 百歳まで歩く(仮題)』を刊行予定。
2007年11月発売。初版2万部。現在14刷15万1000部