文春オンライン

2022/02/03

「お仕事」「手紙」が言えるように

旦那 年が明けたらリハビリ病院に転院することになるはずですが、今日は、ちなみちゃんがどこまで話せるようになったかを録音してみたいと思います。

清水 お母さんがお仕事を。

旦那 いま、お仕事って言ったね。

清水 違う。

旦那 お仕事じゃない?

清水 うん。

旦那 うーん、何だろう? 頭の中に浮かんでいる言葉が、実際に口から出てくる時には違う言葉に変換されちゃってるんだね。

清水 うん。

旦那 「お母さん」と「わかんない」以外に「お手紙」もよく言うよね。リハビリの話?

清水 うーん、そうそう。お母さんの、じゃーいんの。違うね。えっとー、にほんをね、難しいんだ。

旦那 リハビリの話?

失語症を発症した清水さんの音声が収録されたカセットテープ

清水 うん。かんざんなせひとの。

旦那 簡単な計算とか?

清水 そう。お母さんの昔のこてんぜんの、お母さんの難しいの。

旦那 簡単な計算問題なのに、あなたには難しくてなかなかできないってことかな?

清水 そそそそ。せがさわね。おつがみがね、難しいんだよ。あのう、違うお手紙をね、難しいの。

旦那 何か問題が出て、一生懸命やるんだけど、難しくてできないってことかな?

清水 そそそ。違う難しいのは、難しいんだよ。それで、全然ね、違うんだよ。

旦那 だんだんできるようになるよ。左脳の4分の1がやられちゃってるんだから、時間がかかるのはしょうがない。