またしても「メンタルを褒められた」御嶽海
そして無敗で勝ち越しとなると紙面ももしかしてという感じでザワザワしてきた。1月17日は元幕内大鷲・伊藤平さんが、
《コーヒーを飲みに佐久の街に出ると、いろんな人から「親方、今場所の御嶽海はいったいどうしたんだい」って聞かれる。それぐらい勝ちっぷりや顔つきが良い。》
とコラムで書いている。一方で後半戦になるとまたいつも通りの御嶽海に戻ってしまうのではないかと不安がる街の声も載せている。読んでいてソワソワしてきた。すると、
『御嶽海 引いて止まった 厳しい当たりに我慢できず初黒星』(10日目・1月19日)
『御嶽海 前にバタリ 平幕相手 痛い取りこぼし』(12日目・1月21日)
2敗を喫す。ああ、またこのままか…ところがです、
『御嶽海 大一番で我慢実る』(13日目・1月22日)
またしてもメンタルを褒められた御嶽海! 今場所はやはり違うぞ。
もし御嶽海が横綱になったら…伝説の雷電超え!
そして千秋楽で遂に優勝を決めたのであった。
『御嶽海 たどり着いた 不言実行 大関の座に』(1月24日)
社会面ではさっそく「木曽、熱帯びる」という連載がスタート。御嶽海の出身地である上松町の観光協会の公式ツイッターは『フォロワー 場所前から350人増』(1月27日)と大盛り上がり。
その一方で「なるほどなぁ」と思ったのが今後について。
御嶽海といえば「稽古嫌い」というイメージがある。ここでいう「稽古」とは相撲を取る実戦練習のこと。
《相撲未経験者が中学を卒業して入門し、何十番もの実戦練習を連日こなして“たたき上げ”で番付を上げてきた根拠にあり、「稽古」を定義づける》(信毎1月28日)
これに対し御嶽海が相撲を始めたのは小学1年生のときで、高校、大学でもずっと相撲を取ってきた。なので「稽古」で確認するのは本場所で思い通りに動ける体かどうか。基本的な動作を確認して疲れをためないことを意識するのだという。
その結果「ここまで大きな故障がなかったことが良かった」(出羽海親方)。御嶽海は「今さら親方衆が好むような稽古をやっても…」と考えてきた(信毎・同)。
しかしこれから綱取りとなると稽古でも「胸を貸す立場に相応な強さを示さなければならない」「親方衆や角界OBが変われるかどうか気にしているのは、実戦的な稽古場での姿勢だ」(信毎1月30日)。
伝統的なしきたりや考えのなかで御嶽海はこれまでと同様のことができるのか、それともやはり「稽古」から同じにしなくてはいけないのか。かなり興味を持って読んだ。
それにしてもこれでもし御嶽海が横綱になったら伝説の雷電超えである。一体紙面はどうなるのでしょう。オラが町の力士の活躍に地元紙が熱い。