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今場所の御嶽海は何が違った? “13日目の相撲”に感じた大きな成長《“元安美錦”安治川親方の1月場所総評》

けっぱれ! 大相撲――2022年1月場所

note

 令和4年初場所が終わりました。本年も宜しくお願いいたします。

 皆さんはどのようなお正月を過ごされましたか?

 大相撲初場所は新年を迎えてすぐ開催されます。力士にとって正月はほぼないに等しいです。むしろ本場所が終わってから、正月気分に浸るのです。

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 私が所属する伊勢ケ濱部屋では、大晦日まで稽古、新年3日から稽古を再開しました。照ノ富士は九州場所が終わり、いつも通りまずは治療に専念し、トレーニングを積み重ね、その後、年末には相撲を取る稽古をしてきました。優勝に向けて今年も順調なすべり出しでしたね。

 今場所の注目は、横綱の連勝は誰が止めるのか、いや、止められるのか。

 関脇御嶽海は大関への足掛かりを作れるか、それとも今場所で決めるのか。

元安美錦(安治川親方) ©文藝春秋

 大関陣の奮起、先場所優勝争いをした阿炎の勢いはどうか。

 そして若隆景や豊昇龍、阿武咲など三役を狙う若手、上位に戻ってきた宇良、新入幕の王鵬や琴ノ若らのさらに若手の力は幕内で通用するか。このあたりを注目していました。

 さあ、寒い日が続きますが初場所を熱く振り返って参りましょう。

前半戦のポイントは……

 初日、照ノ富士の相手は大栄翔。大栄翔は、まわしを掴まれたら勝てないのをしっかり意識し、徹底して突っ張ります。のど輪を交えて照ノ富士を攻めたてます。

 照ノ富士を土俵際あと一歩まで攻め込み、勝負あったかと思いましたが、逆転で照ノ富士の勝ち。押し込まれて危ないと私は思ったが、あとでスロー映像を観るとまだ余裕があるような(汗)。

 大関貴景勝は一気の突きで押し出し。足の運びもスムーズでしっかり頭で当たっていたので、首の怪我の回復も順調で期待できると思った矢先、4日目から足を痛め休場。

 大関正代の初日は辛くも勝ちましたが、2日目の宇良戦では馬力で一気に押し出し。このまま白星を積み重ねていくと思いきや、3日目に星を落とすとずるずる負けが続き、優勝戦線からは早々に脱落。