皇位継承順位1位の秋篠宮殿下と2位の悠仁さまを擁する秋篠宮家。2021年10月には長女の眞子さまが小室圭さんとご結婚し、11月にアメリカ・ニューヨークに移り新生活を始めた。

 次代の皇室を担う秋篠宮家について、月刊文藝春秋の論考を集めた『秋篠宮家と小室家』(文藝春秋)より、一部抜粋して皇室史上「類例を見ない結婚」の舞台裏を紹介する。

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眞子さまと佳子さまが感じられていた閉塞感の正体

「このご結婚は終わりじゃない。始まりですよ」

 ある秋篠宮家関係者は、自らに言い聞かせるように淡々とそう語った。秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんのご結婚のことである。どこか予言めいた口ぶりだった。

婚約内定記者会見での眞子さまと小室圭さん ©共同通信社

 現在の皇位継承資格者は、秋篠宮、常陸宮、悠仁さまのわずか3人。次世代に限って言えば、悠仁さまお1人だ。

 岸田文雄政権のもと、2021年末には「安定的な皇位継承についての有識者会議」の最終報告書が取りまとめられたが、依然として皇位継承の安定に繋がる明快な道筋が見いだせていない以上、小室圭さんと眞子さんのご結婚の行方は、皇室の将来と簡単に切り離せるものではない。冒頭の秋篠宮家関係者の発言はそういう意味なのだろう。

 本書は、2016年~2022年に『文藝春秋』に掲載された秋篠宮家に関する記事を編んだものである。さらに、右の有識者会議でヒアリングされた東京大学史料編纂所所長の本郷恵子氏に、会議の報告書を受けて新たにご寄稿いただいた。

婚約内定記者会見での眞子さまと小室圭さん ©JMPA

 本書に収録する記事の多くを占めるのが、2017年の眞子さまの婚約内定報道からご結婚に至るまでの一連のできごとに関するものである。小室家の“金銭トラブル”をめぐり、大混乱に陥った騒動のさなか、秋篠宮は皇嗣となり、悠仁さまは中学、そして高校の進路を考えていた。秋篠宮家にとって経験したことのない激動の日々だったろう。

立皇嗣の礼「立皇嗣宣明の儀」を前に秋篠宮ご夫妻を見送られる悠仁さま ©JMPA

 反響が大きかった記事の一つに「秋篠宮家『秘録』」(2021年12月号)がある。眞子さまと佳子さまが結婚によって皇室を「脱出」することを夢見ていたとする証言が紹介されている。お2人が感じられていた閉塞感の正体は何だったのだろうか。