そろそろ今年も終わりだな、と思うタイミングは色々あると思いますが、かなり早いタイミングでそれを告げるものが「手帳」です。書店では秋口に入った頃から次の年の手帳がずらっと並び、もうそんな時期なのかということを私たちに教えてくれます。
過去・現在・未来のどこを向いているか
私は以前「手帳術」の移り変わりについて研究したことがあるのですが、この文春オンラインの編集部から次のような質問をいただきました。「手帳型人間と日記型人間ってタイプ分けできるものですか?」。
たしかに手帳も日記も、毎日使う、何ごとかを日々書き込む、持ち運びできるようなアイテムです。では、手帳と日記の違いとは何でしょうか。これは簡単なようで意外に難しい問題です。日記は日々の出来事を書き綴るものとほぼいえるでしょうが、近年の手帳のバリエーションは実に幅広く、細かくスケジュールを管理できる手帳もあれば、日記的な使い方が見込まれた手帳、将来の夢をかなえるために作られた手帳、これらの折衷的なものなど、さまざまにあります。個々人の使い方としてもそれらはさまざまであったり、折衷的であったりするでしょう。
とはいえ、「過去を記録して、度々振り返ろう」とか「先々の予定を書き込んでおかないと落ち着かない」とか「まあ、今が良ければいい」とか、人には「過去」「現在」「未来」のうちどこを向いているか、傾向の違いはあると思います。手帳や日記の使い方も、こうした傾向によって変わってくるのではないかと考えます。
こうした傾向によって、より広くどんな意識や価値観の違いがあるのでしょうか。そのことを調査したデータがあるので、自分はどのタイプに当てはまるのか、なんて考えながらご覧いただければと思います。