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 このような経緯から、『ゴーストバスターズ』は主演と監督がほとんど作品内容をコントロールした作品だったのである。

 ちなみに、もうひとりの主演であるビル・マーレーとは「映画化が実現したら主演を引き受けてやるよ」という口約束だけの状態であった。

 ビル・マーレーはエージェントを立てない俳優として知られており、普段は音信不通のため、本作に出演することを信じていたのはダン・エイクロイドだけであったという。果たして『ゴーストバスターズ』はビル・マーレーが契約で揉めずに出演できた最初の映画となったのである。

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企画を聞いた重役の「予算は?」に対して…

 1983年5月、まだ脚本も出来上がっていないなか、アイバン・ライトマンはコロンビア映画の重役に5分ほどで映画の企画を簡単に伝えた。すると重役から「予算は?」とだけ聞かれ、とくに深く考えず「3000万ドル」(当時の為替レートで70億円)と適当に言うとあっさりOKが出てしまう。条件は翌年の6月に公開できることであった。

 こうしてコメディ&ホラー&SFの超大作映画『ゴーストバスターズ』の製作が正式に決定したのである。

テラードッグを演じきった『エイリアン』の大スター

 本作にはいくつもの魅力が詰まっている。まずは役者たちだ。主演の3人だけでなく、脇を固める俳優たちも愛されている。

 ヒロインのディナを演じるシガニ―・ウィーバーは、当時すでに舞台の演技で評価され『エイリアン』(1979)の主演で大スターになっていたものの、コメディでの演技ができることも証明したい作品を探していた。

1999年、授与されたハリウッド・ウォーク・オブ・フェームでポーズをとるシガニー・ウィーバー©AFLO

『ゴーストバスターズ』をそのチャンスと捉えた彼女は、監督を前にしたオーディションで両手両足を床について映画に登場する「テラードッグ」を演じ、監督のオフィスにあったクッションを引き裂き、体をふるわせて吠えた。

 それを見て驚いた監督は「もう二度とやらないでくれ。担当の編集が見たらとてもグロテスクで映画に使いたくなるから」と言った。

 彼女はテラードッグが特殊効果で作られることを知らなかったのだ。

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 また、ディナのアパートメントの向かいに住むリック・モラニス演じる税理士のルイスや、ゴーストバスターズの受付のジャニーン(アニー・ポッツ)なども、続編にも出演するほどキャラが立っている。

 とくに重要な役として登場するのが、ゴーストバスターズの4人目として加わるウィンストン(アーニー・ハドソン)だ。