“忖度”証拠メール《ジャニーズと弊社の関係性を鑑み…》
『アノニマス』が始まる3ヶ月ほど前に送られたこのメールの送信元は、当時HYの所属レーベルだったユニバーサルミュージックで邦楽を統括していた執行役員・A氏だ。
「もともとはユニバーサルミュージック内の邦楽を担当する責任者に宛てて送られたメールだと思いますが、文字に残る形でこんなにあからさまに“忖度”を命じるとは……。最初にメールを読んだときは、まさか、と思いました」(メールを見た関係者)
その文面は以下の通りだ。
邦楽MD各位
お疲れ様です。
大変デリケートな話をさせて頂きます。
来年1月クールのテレビ東京で香取慎吾が主演のドラマがあります。
エンドソングをHYと言う事で事務所がテレビ東京とほぼ決で話を進めていたのですが、ジャニーズと弊社との関係性を鑑み、今回HYには辞退して頂く事となりました。
この枠に関しては、申し訳ないですが、手を付けずにお願い出来たらと思います。
今後、辞めジャニ案件が更に出て来ると思いますが、都度慎重に対応させて頂けたらと思います。
この旨ご理解の程どうぞよろしくお願いいたします。
A(メールでは実名)
この関係者は「前代未聞ですよ」と続ける。
「『慎重に』と濁してはいますが、要は『関わるな』ということでしょう。ドル箱のようなアーティストを何人も抱えているジャニーズへの忖度は、レコード会社だけでなく業界の至る所にあります。ですがそれはあくまで秘密裡に行われてきたことです。それなのに“辞めジャニ”なんて直接的な言葉を使ってメールで指示をするとは……。このメールを見たときは、本当に驚きました。アーティストが可哀そうですよ」
“辞めジャニ”とジャニーズ事務所の関係性について、芸能記者が語る。
「退所したタレントに対するジャニーズ事務所からの“圧力”については、これまでもたびたび取沙汰されてきました。ジャニーズには人気タレントがたくさんいますから、『辞めたタレントを使うなら、ウチのタレントは出しませんよ』というやり方が可能なんです。それを怖れて、テレビ局などオファーする側が自ら“忖度”する例も数多くあると言われています。
実際に、2020年6月に退所した元NEWSの手越祐也が自身のYouTubeチャンネルで、独立後の仕事について『(オファーされた仕事が)消えるのよね』『仕事自体がどっかいっちゃうということもあれば、共演者がどっかいくというのもある』と明かしたこともありました」