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“21歳の1.5億円プレイヤー”の誕生か
1回の対局ごとに支払われる「対局料」もある。藤井は昨年は65局を戦い、推定900万円。
まだある。順位戦の在籍クラスに応じて支払われる固定給だ。藤井は推定500万円。以上、締めて1億1300万円にのぼるのだ。
では今年、藤井は収入をどこまで伸ばせるか。その可能性を飯島栄治八段(42)が解説する。
「四冠を保持したまま渡辺さんから王将を奪取し、王座の挑戦権を得てタイトルを獲ると六冠です。残る棋王は今期はすでに敗退しているので挑戦できず、名人も挑戦権を得るのは最短で23年となります。
朝日杯を連覇、JT杯優勝。そして順位戦でA級に昇級すると固定給も20万円以上上がります」
以上をすべて実現したと仮定すると、最大で3500万円程度上乗せできる。“21歳の1.5億円プレイヤー”の誕生だ。
稼ぎ出す金額は、羽生善治九段の倍になる可能性も
だが、過去にはまだ上がいる。羽生善治九段(51)は1995年に1億6597万円を稼いでおり、これが史上最高額。
当時よりタイトル数がひとつ増えているいま、藤井が23年に八冠制覇を成し遂げれば、さらに推定4000万円を上積みできる。そうすると史上初の2億円に届く可能性もあるのだ。
将棋ライターの松本博文氏がいう。
「羽生九段のデビュー以降36年間の賞金総額は約30億円と推定されます。藤井竜王が羽生さん同様に今後30年以上君臨すれば、稼ぎ出す金額は羽生さんの倍になる可能性もある」
だが、竜王奪取の記者会見で賞金の使い途を問われ「まったく考えていなかった」と答えた藤井。本人は、あくまで盤上しか見つめていないのである。