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《旭川14歳少女イジメ凍死》「私は娘をセカンドレイプした世界で一番悪い母親かもしれない…」廣瀬爽彩さんが亡くなって1年 母親が語った“自責の念”と“葛藤”

旭川14歳少女イジメ凍死事件 ♯28

genre : ニュース, 社会

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「爽彩(さあや)に帰ってきてほしい。今もそれしかないです。でも無理なんですよね……。本当は一周忌の法要もやりたくないです。爽彩が亡くなったことを認めないといけないことになってしまう気がして。でも、供養をしないと爽彩が天国で幸せになれないかもしれないから。こうやっていつも気持ちが矛盾するんです。この1年、ずっと爽彩を失った実感がない気持ちが続いています。受け入れられていないから、普通でいられるのかなと思ったりはしているんです」

 昨年2月13日に自宅から失踪し、翌月に北海道旭川市内の公園で凍った状態で発見された当時中学2年生の廣瀬爽彩さん。一周忌を前に爽彩さんの母親が文春オンラインの取材に、現在の心境について声を詰まらせながら語った。(#1から読む/前回を読む)

©️文藝春秋

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 文春オンラインでは、これまで爽彩さんが凄惨なイジメを受けていたこと、失踪直前までそのイジメによるPTSDに悩まされていた事実などを報じてきた。これらの報道を受けて、昨年4月、旭川市教育委員会はイジメで重大な被害を受けた疑いがあるとして「重大事態」と認定。昨年5月に第三者委員会が設置され、イジメの有無や爽彩さんが亡くなった因果関係などの再調査が行われているが、生前、爽彩さんは匿名のアカウントを使用してSNSにイジメを受けていたことを投稿していた。関係者によると、自殺未遂から1年後の2020年5月21日に書き込んだものだという。

《私は前の学校でいじめを受けていました。酷いものなのかも私には分かりません。辛いのかももう分かりません。でも私の中に深く残っていることは確かです。その時の話をしたいと思います》

《いつのまにか先輩達に頼まれて自慰行為まで見せることになってました。私は最初断りました。でも先輩のお願いだからと頑張って見せました。そしたらまた言われました。写真や動画も要求されることもありました。途中から羞恥心なんてありませんでした。何が何だかわかりませんでした》

《勉強も今は遅れが酷くて何も分かりません。分かろうとも思えません。頑張らなきゃという気持ちだけが空回りしてる感じでとても気持ちが悪いです。いじめを受けたのは3ヶ月程なのに、もういじめを受けてから1年たちそうなのに私は何もできません。何もかもが怖くて怖くてたまりません》

廣瀬爽彩さん

 この投稿から約9カ月後に爽彩さんは天国へと旅立った――。イジメ被害に遭い、恐怖を感じて心身が壊れていくことを自身で感じながらも、前へ進もうとしていた葛藤が綴られていた。爽彩さんのイジメ事件は社会問題となり、事件から1年近く経った今も連日のようにメディアやネット、YouTubeなどでも取り上げられている。母親はどう受け止めているのだろうか。