安保の謝罪と浮き上がった「YouTuber問題」
2月7日、指定された場所へ向かうと、弁護士事務所の会議室へと案内された。弁護士と共に「文春オンライン」取材班の前に現れた安保は、神妙な顔つきだった。
「まずは相手側へご迷惑をおかけしたことを謝罪したいです」
そう口にしたあと、記者が文書で送った質問について答えた。
「問い合わせにあったことは、事実です。長濱がA氏に対して返信を怠っていたことを私が把握できておらず、返信が滞っていた状況でした。今年の1月には、私自らA氏へ謝罪の連絡を入れております。
また、PR案件用の動画は撮影しましたが、A氏がその動画に立ち会い、説明をする旨は全体に伝わっていませんでした。車の管理に関しては、メンバーのジョリーが行っており、家が遠いなどの問題で私が車を管理できなかった。これらのことは全てチームでの共有不足が原因。また、責任者である私の責任です。
A氏には、誠心誠意謝罪をし、解決に向かうように話をしていきたいと思っております。ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
一夜にして多大な影響力を得てしまうこともあるYouTuber。こういったトラブルは今後も後を絶たないだろう。根本的な原因はどこにあったのか。質問を重ねようとすると、同席した弁護士に「話す必要はありますか」と制止され、これ以上の取材はかなわなかった。
YouTuberの自由さが含むリスクとは
YouTuber事務所関係者はこう語る。
「YouTuberがPR案件を受ける際、クリエイター側が提供できる仕事の質と、企業側が期待している仕事の質にギャップが生まれがちなんです。特にフリーで活動しているクリエイターは、案件を受けても適切な進行管理をすることは少なく、動画投稿の期日が遅れることは多い。契約書を交わすことも稀なので、約束を反故にすることも少なくありません。逆にクリエイターが動画を製作して公開したのに、企業から報酬を貰えなかったというケースもあります。YouTuberの小回りの良さや自由さは、リスクも含んでいるんです」
今後さらに増していくであろう「YouTuberの社会的責任」。その自由さと、どう折り合いをつけていくのだろうか。