『怪奇倶楽部』に出演…ブレイクを実感したときのこと
――アラフォー世代の記憶に、当時の野村さんがしっかり残っているんですね。当時、ブレイクを感じた瞬間ってありますか。
野村 ブレイクしたかはわかりませんが、『木曜の怪談』シリーズの『怪奇倶楽部』が始まってからは、街で声をかけられることが急に増えましたね。
――95年から放送された大ヒットドラマですね。当時ジャニーズJr.だった滝沢秀明さん、今井翼さん、川野直輝さんたちが「怪談トリオ」と呼ばれ、人気を博しました。
野村 これもさっきの『ニコラ』の話じゃないですが、オーディションを受けた時はここまでヒットするとは思ってもなかったので、ことの重大さを全然感じてなかったんです。
まあ、ジャニーズファンの母は私の合格をひっそり喜んでいたかもしれませんけど(笑)。
――当時、出演者の皆さんは小学校高学年から中学生くらいですよね。ティーンのスターたちが集結していたわけですが、現場ではどんな感じでしたか。
野村 スレてない、素直な子どもって感じで……当時子どもだった自分が言うのもおかしいですけど(笑)。
それこそまだ幼かったから、バーってみんなで現場で遊んじゃって、「衣装を汚すな!」ってスタッフさんに怒られたりして。だからお弁当は、切り込みを入れてもらったゴミ袋をかぶって食べてました。油断するとすぐ汚すから(笑)。
当時は家族以上に長い時間を一緒に過ごしていたので、今はもうそんなに会わなくなってしまったけど、私としては戦友みたいな存在ですね。
10代にして大統領のようなハードスケジュール
――学校との両立はどのようにされていたのでしょう。
野村 撮休の日に学校に行けるかどうか、という感じでしたね。撮影の日は朝現場に行って、今では考えられないような時間になっていることも。頑張って学校に行ってたつもりでしたが、後で友だちに聞いたら「ユウちゃん、学校に1日中いたのは水曜日だけだったよね」と。水曜日は撮休の日だったんです。
――10代前半にして大統領のようなハードスケジュールをこなしていたんですね。
野村 だから、当時の記憶ってあんまりないんです。テストの前だけ学校に行ったり、「今日は運動会があるので」と事務所に先に言っておいて、撮影のスケジュールを調整してもらう、みたいな感じだったと思います。