“転落”のもう1つのきっかけは…?
そして、“転落”のもう1つのきっかけは再婚だったという。
「もともと中村容疑者には妻と2人の子供がいましたが、2017年に静岡に仕事仲間と旅行に行った際、現地で旅館の女将をしていた桂子さんと知り合ったんです。桂子さんにも夫と子供がいましたが、2人はお互いの家族を捨てて再婚しました。
中村容疑者は相場が2000万円以上するランボルギーニ・ウラカンや、レクサスを2台、白と黒のヴェルファイアを2台所持するなど、高級車を乗り回す派手な男です。その金払いの良さに桂子さんも惹かれたのでしょう。
自分が所持するブランドモノや、高額なエステ代を中村容疑者に払わせるなど、桂子さんの金遣いは本人以上でした。長野にある温泉旅館を買って、桂子さんに女将をさせて経営するという話もありましたね。
桂子さんは、中村容疑者の仕事の商談にもいつも付いてくるのですが、話が長くなると外にふらふらと出て行って行方がわからなくなる。よく一緒に探し回ったのを覚えています。見つけた時は、路上に座り込んで酒を飲んでいることもあり、精神的に不安定な様子もありました」(前出・中村容疑者の知人)
不渡りの出る日…ついに「浪費妻」を手にかけた
やがて中村容疑者は、高級車のローンや家賃、妻への支出、金利などで月数百万円以上の支払いに追われるようになる。借金で首が回らなくなった中村容疑者は、詐欺行為をエスカレートさせていく。
「中村容疑者は生活が派手なので、金を持っていると信じ込む人も多かった。ただ、前述のように九州で事業にことごとく失敗したほか、かつて同居していた元組長の組や、京都の別の指定暴力団にも不動産投資などの儲け話を持ち掛けては失敗していました。東証1部上場企業の前会長からも同様の手口で1500万円を持ち逃げしています。以前から詐欺まがいのことをしていたので、恨みを買っていた人間も多い。事件直前には『ヤクザに殺される』といって怯えていましたね」(同前)
返せる当てのない、借金苦による逃避行。
八方塞がりで行き詰った中村容疑者が、最後の地に縁もゆかりもない静岡を選んだのはなぜだったのだろうか?
「実は事件直前に桂子さんが整形手術で1000万円を使っていたことが、クレジットカードの明細から中村容疑者にばれたのです。それに激高した中村容疑者は『ここまで困窮したのはお前のせいだ。疎遠になっているが、実家から金を借りてこい』と静岡に向かった。その矢先に事件が起きました。事件があった11月23日は、中村の会社が2度目の不渡りを出す日でした。つまり、倒産です。中村容疑者は最後の最後で破れかぶれになったのでしょう」(同前)
「妻を殺しました」と自ら110番したという中村容疑者。
捜査関係者によると、逮捕時の所持金は2000円だけだったという。