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「被害児への憎しみや害意はない」

「だが、被告人が鹿児島に行ったのは、(稀華ちゃんを)置いて外出するという第一の犯行時に問題がなかったという経緯から、慣れて自身の判断により第二の犯行に及んでいるため、量刑を判断するに考慮はするものの、それには限りがある」(同)

 涙を拭っているのか、目元を手でこする梯被告。鼻をすすり、少し震えた。

「一方で、軽率な判断だが、被害児への憎しみや害意はない。被告人が残した飲食物については明らかではないものの、証言から考えても水や菓子以外にも置いていたことが認められる。そのうえで、公判を通じて謝罪と後悔を示していることを考慮し、今回の量刑に……」(同)

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梯被告と稀華ちゃん。稀華ちゃんの写真は限られた友人だけに公開する別アカウントのインスタグラムにのみ投稿されていた(梯被告のインスタグラムより)

 ここまで告げられた梯被告は、左側に座った女性の刑務官から渡されたのか、白いハンカチで目元を押さえていた。閉廷後、手錠をされ、腰縄をつけられる際には、よろめく場面もあった。

 過去の梯被告の虐待被害を考慮するには“限りがある”とし、弁護側が求めていた「懲役5年」を超える量刑となった。この裁判所の判断を、被告自身はどう受け止めているだろうか。

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