3歳の長女を自宅アパートに置き去りにして旅行に出ている間に衰弱死させたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われている母親の梯沙希(かけはし・さき)被告(26)に対する判決公判が2月9日に東京地裁で開かれ、平出喜一裁判長は梯被告に懲役8年を言い渡した(求刑懲役11年)。
黒いスーツに白いシャツを着て、うつむいて入廷した梯被告。ウエストまで伸びた髪の毛は胸元から毛先にかけて茶色が残る。
梯被告は2020年6月、鹿児島に9日間の旅行に出た際、当時3歳の娘・稀華(のあ)ちゃんを東京・大田区の自宅アパートに鍵をかけて放置し、脱水と飢餓で死なせた保護責任者遺棄致死や、その前月8~11日にも同様に、自宅アパートに稀華ちゃんを閉じ込めたまま鹿児島に旅行に出たという保護責任者遺棄の罪に問われており、これらを裁判所も認めた。
「交際相手の先輩から交際相手のいる鹿児島への旅行を誘われながら、流されやすく、相手の要求に過剰にこたえてしまう自身の性格的傾向と、これまでも放置しておきながら問題がなかったことへの慣れもあって、自らの判断で置き去りにし、被害児童がいるにもかかわらず扉を閉めてソファーで固定し、鍵を閉めて同児を遺棄するとともに、一定量の飲食物を置いてオムツも着けたまま食物を与えることなく、帰らず、ことさらに生存に必要なものを与えなかった。
6月には、同じく旅行に誘われるや、前回と同様に判断し、自らの決断で同じく旅行に行った結果、同児を飢餓、脱水症状で死亡させた……」(判決言い渡し)