「負けた時は自分のせい。勝った時はチームのおかげ」
――スキップの藤澤五月選手について聞かせてください。4年前の平昌大会では「麻里ちゃんが一緒にいてくれる時間がけっこうあった」という話をご本人に聞きました。
本橋 懐かしいですね。スキップって基本的には孤独なポジションではあるんです。「負けた時は自分のせい。勝った時はチームのおかげ」という格言めいた言葉があるくらいで、さっちゃん(藤澤)はそれを強く感じてしまって、勝ったゲームでも「私がもっとああしておけば楽なゲームだったのに」と考えすぎてしまう時もありました。別に何を言うわけでもなく、一緒にいようと思っていた記憶はあります。
――今回の北京大会では、その役割を本橋さんに代わってフィフスとなった石崎琴美選手が果たすわけですね。
本橋 そうですね。琴美ちゃんはちょっと引いたところでチームを見てくれているので、とても頼もしいです。一歩引くと他人事になっちゃうけれど、半歩引いてサポートしてくれる。その半歩の距離感が絶妙ですよね。
――個人的に連絡したりもするんですか?
本橋 ごく稀にです。彼女は全体的にチームをフォルムで見てくれているので、選手個々というより「みんな元気にしている?」「元気だよー。日本に帰ったらおいしい卵サンドが食べたいとか言っている」みたいな感じですね。ああ、元気なんだなと雰囲気が分かれば十分なので。
“お祭り男”小野寺亮二コーチは…
――チームはカナダの拠点であるカルガリーを2月に入ってから発ち、経由地の成田空港で小野寺亮二コーチと合流し、北京に向かいました。先日のオンライン会見では「小野寺コーチに何かお茶とかお菓子とか、もぐもぐタイム用に何か物資を託すか」という質問もありましたね。
本橋 今回は特になかったですね。亮二さんに持っていってもらうと別に税関で規制されたものではなくても、没収されたりしそうな気もするので。
――嵐を呼び、ネタを作り続ける“お祭り男”ですからね。
本橋 その一方で、彼の明るさにはチームは何度も救われていると思います。亮二さん、JD(ジェームス・ダグラス・リンドナショナルコーチ)、せいや(高田聖也トレーナー)さん、琴美ちゃんという本当に個性的でいいサポートをしてくれるスタッフがいるので、基本的には心配しないでください。