昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

CDB

2022/02/17

元アイドルの川栄李奈との「親子共演」にも期待

 同じ藤本有紀脚本として今も多くのファンを持つ、2007年に放送された連続テレビ小説『ちりとてちん』は、序盤で「お母ちゃんみたいになりたくないの」という言葉を投げつけ故郷を後にするヒロインが、最後には母親になるという「母と娘」の物語を軸にしている。『カムカムエヴリバディ』もまた、母と娘の対立、決裂が第1部の終わりで描かれる。

 安子が自己主張のための言葉として獲得した英語は、娘のるいにとってもまた「I hate you」という母親にNoを突きつける言語でもあった。第3部のヒロインひなたにとって、英語はどんな意味を持つ言葉として描かれるのだろうか。海を渡った1人目のヒロイン、安子のその後が第3部で描かれることはあるのだろうか。

 ひなたを演じる川栄李奈の演技からも目が離せない。AKB48出身ながらファンの人気が支えるアイドル女優というより、バイプレイヤーとしての演技力で頭角を現してきた演技派である。映画『センセイ君主』、朝ドラ『とと姉ちゃん』など助演のたびに名を上げ、ついに主演として朝ドラヒロインをつとめるまでになった。

 川栄李奈のもうひとつの隠し武器は身体能力の高さであり、映画『亜人』ではバトルアクションを見せ、映画『嘘を愛する女』の予告編では強烈なバックキックを見せている。今回の作品でその身体能力を見せるシーンがあるかは分からないが、まだ彼女を知らなかった多くの視聴者が今回、その演技力を知ることになるのは間違いない。

 今ではもう知らない人も多いが、深津絵里だって10代のころはアイドルとして活動した時期もあったのだ。高い演技力を持つ2人の女優が共演する親子シーンも注目したいと思う。

©時事通信社

『カムカムエヴリバディ』が第1部から引き継ぐモチーフがもうひとつある。それは朝ドラへの自己言及だ。第1部の終わりでは、岡田結実演じる雪衣が記念すべき第1作目の連続テレビ小説『娘と私』を見ている場面があった。第2部の終盤ではるいとひなたがお茶の間で朝食をとりながら第17作目『雲のじゅうたん』を見ている。浅芽陽子演じるヒロインが女性飛行士を夢見る、1976年の人気作品である。朝ドラに言及する朝ドラ、『カムカムエヴリバディ』は第3部で何を見せるのだろうか。

 物語は、深津絵里がクリスマスイヴのCMを演じた1988年、川栄李奈や安子役を演じた上白石萌音が生まれた90年代、そして『ちりとてちん』が放送された2007年を通過して、2022年を目指す。100年の物語はどこを最後に目指すのか、3人のヒロインがつなぐドラマはまだ半ばを少し過ぎたあたりである。

その他の写真はこちらよりご覧ください。

この記事の写真(29枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z