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〈追い込まれた女子カーリング〉チームの命運を握る藤澤五月が迎える“運命の日” 「メガネ先輩も、ミュアヘッドもミスを許してくれなかった」

2022/02/15
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勝てなかったROCはようやく1勝をあげてうれしそう

 そうなると、「日米加」の三つ巴となり、日本はアメリカ、カナダの両国に勝っているので、有利なポジションとなる。その意味で、日本の命運はアメリカとカナダの結果如何によって大きく変わる(“米”と“加”の関係性を考えると、ことカーリングに関しては、米は加に対してコンプレックスがあると見る。対する加は経済、文化大国である米に対して、カーリングだけは譲れないというプライドがあり、両国の対戦はカナダが有利になりがち)。

 2月16日は重要な日になるわけだが、今回のオリンピックを見ていても、つくづくカーリングは難しい競技だと思う。

「ROCにもメガネ先輩が!」と話題になった、セカンドのガリーナ・アルセンキナ選手 ©JMPA

 ラウンドロビンでの全勝は難しく、ストーン、シートの状況は試合ごとに変わる。ずっといいわけでもないし、ずっと悪いわけでもない(ずっと勝てなかったROCはようやく1勝をあげて、うれしそうである)。

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 しかし、最後にチームを救い、引っ張るのはスキップである。

 カーリングは4人で行われる団体競技であり、日本の報道ではチーム力が強調される。それは正しい。

 しかし、カーリングのチーム名表記は欧米では伝統的にスキップの苗字、ラストネームで記される。カナダの大会の結果を調べれば分かるが、ロコ・ソラーレは“Team Fujisawa”であり、メガネ先輩のチームは“Team Kim”だ。スキップはチームの「顔」であり、最後はスキップの手にチームの運命は委ねられる。