文春オンライン

屋上にジェットコースターが置かれる構想も…日本最大級のディスカウントストア「ドン・キホーテ」の外観が“派手すぎる”ワケ

『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』より #1

2022/02/25

genre : ライフ, 歴史,

note

池袋駅西口店のドンペンの特徴

 陸橋を下って、池袋西口におりたちます。ラブホテル街を横目に見ながらペンギンの元へ向かっていきます。あたりには中華料理店が多いのも目立ちます。じつはこの近辺は、ここ数年で急激に中国系の人々の居住や往来が増えている地区で、日本でも有数のチャイナタウンとなっています。さて、ペンギンが飛び出ているビルに近づいてきました。そこには、でかでかとした黄色い文字でこう書いてあります。

ドン・キホーテ池袋西口店(著者撮影)

「ドン・キホーテ」

 そう、ここはドンキの池袋駅西口店。ビルから両手を広げて飛び出すペンギンは、ドンキのマスコットキャラクター「ドンペン」です。企業のイメージキャラクターといえばふつう、チラシやCMに登場して広報活動をするイメージがあります。あるいは商品のパッケージに書かれていたりもします。しかし、ドンペンが特徴的なのは、店舗の飾りとして多くのドンキに置かれていることかもしれません。CMやパッケージなど、2次元だけでなく、3次元の物体としてもドンペンは存在しているのです。

ADVERTISEMENT

 池袋駅西口店のドンペンは、フクロウと一緒に並んでいます。池袋駅の構内に「いけふくろう」という像があるのをご存じでしょうか。池袋には、公園や駅前広場をはじめとしてさまざまなところにフクロウの像や装飾があります。なぜ、フクロウなのかは諸説あるのですが、「いけぶくろ」と「ふくろう」の語感に似たものを感じた池袋の人々が、池袋のシンボルとしてフクロウをよく用いるようになったといいます。ただ、現在では、そのようなシャレを超えて、池袋全体でフクロウを街のシンボルのように扱っています。池袋駅周辺の公園にはフクロウのオブジェがありますし、あるいは周辺の神社にはフクロウの像が立っていたりもします。池袋駅西口店にフクロウがいるのは、ある意味で池袋の土地柄を表しているのです。