ドンキ六本木店の幻のジェットコースター
妖しい光を放つネオンの看板が何重にも並べられ、アジアのどこかの国の屋台村にでも迷い込んだよう。この周辺には、近年観光地として人気が高まっている新大久保のコリアンタウンがあります。アジア風の派手な店構えも、コリアンタウンの近くにあるからこそ、生まれたものでしょう。ドンペンもまたネオンのライトで光り輝いており、アジアンテイストのドンペンを、新宿で楽しむことができます。
くわえて、実現はしませんでしたが、ドンキ六本木店(東京都港区)では屋上にジェットコースターが置かれる予定もありました。置かれる予定だったのは「ハーフ・パイプ」という種類のジェットコースターでスイスのインタミン社によるもの。実際に設置まではされたものの、稼働した際の振動がひどく、屋上では震度3ほどの揺れが確認されたそうです。そのようなこともあり、ドンキは稼働を断念。ドンキは、事前に振動について十分な検討をしなかったとしてインタミン社を提訴。裁判に勝利して8億6000万円の賠償金を得ました。この裁判の前にも、ジェットコースター設置について、地元住民から反対の声が多く寄せられていたこともあり、計画は幻となってしまいました。設備そのものは2017年に撤去されましたが、現在でも、ネットのブログなどではドンキ六本木店の上に付いていた黄色いジェットコースターの記憶を懐かしんでいる人々もいます。
ここに挙げた例からも、ドンキがいかに「目立つ」店舗を心掛けているのかがわかるのではないでしょうか。
【後編を読む】「入り口のオブジェが巨大猿から巨大ペンギンへ…」32期連続増収の「ドンキ」が取り組む“時代を超えた経営戦略”とは