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「胸を触られたり、『誘ったらすぐイケるでしょ』と言われることも…」でか美ちゃん(30)が語る、奇抜な芸名で悩んだ20代

「でか美ちゃん」インタビュー#2

note

玉袋筋太郎さんやスピードワゴン小沢さんからの助言

――それで改名するという選択肢も出てきたと。

でか美 その時は改名する気はあまりなくて。あるイベントで玉袋筋太郎さんと話した時に、「でか美ちゃんっていう通り名をもう少し浸透させたらいいんじゃない?」というアドバイスをいただいて。「よし、それでいきましょう」と、解決の糸口が見えた気がしたんです。玉袋さんは、玉ちゃんとしてNHKにも出ていますし。

 でも、私は「ぱいぱいでか美」としての印象がかなり強くて、「でか美ちゃん」を浸透させることはできなかったんですよね。ちょうどその頃、「有吉反省会」の放送が終わってしまうという知らせも受けていて。ネットでエゴサしたら「ぱいぱいでか美、仕事なくなるじゃん」って書かれていて、これが消えるってやつかって焦りました。

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 今までがむしゃらに突き進んできたけど、先のことをちゃんと考えていかないとなって。上京するときに両親から「30歳までにご飯食べられなかったら、帰ってきて就職したら」と言われいたんですが、その年齢に自分がなってみて、ちょっと不安もあったんです。ご飯は食べられているけど、このままでいいのだろうかって。

デビュー直後のでか美ちゃん

「ぱいぱいでか美」だからこそいろんな仕事をいただけたけど、名前で悩むことも増えてきて。どうしようか悩んでいる時に、スピードワゴンの小沢さんから、「でか美ちゃんがもってる能力とその名前が、アンバランスになってきていて。それがいいとこでもあるけど、改名した方が仕事増えるんじゃない」って言われて、それで改名について真剣に考え始めました。大森靖子さんや吉田豪さんにも相談しましたね。

「他人へのハラスメントに加担してはダメ」と改名を決意

――仕事の幅を広げるためにも改名した方がいいと。

でか美 そうです。それにジェンダー問題について学んでた時に、自分がハラスメントに加担してると思う部分も増えてきて。この名前を名乗ることで、遠回しに誰かに対するハラスメントになっていたんですよね。一緒に仕事をするアイドルの子が、私のことをなんて呼ぼうか困っている姿を見ると申し訳ないなって。

 名前のせいで仕事がなくなるというのは、ある意味自己完結してる話だったんですけど、他人へのハラスメントに加担しているのはダメだなと思って。それで改名したいと事務所に伝えました。

 

――改名するにあたって、全く違う名前にしようというのも選択肢の中にあったんですか。

でか美 周りからは「全然違う名前にしてみたら」とか、「本名にしちゃうのは?」って言われたこともあったんですけど、10年くらい「ぱいぱいでか美」として生きてきたので、それ以外は馴染まなくて。やっぱりどこかは残したいと思って「でか美ちゃん」にしました。