事件は連鎖するのか――。

 東京大学前の路上で1月、共通テストの受験生ら3人を刺した愛知県名古屋市の高校2年の少年A(17)。2月5日、通行人の男性会社員(72)への殺人未遂などの容疑で再逮捕された。

事件から1カ月が過ぎたが…… ©共同通信社

 実は事件直前、Aは“ある事件”をスマートフォンで検索していたという。

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 警視庁担当記者の話。

「Aは逮捕直後に『スマホは捨てた』と供述していましたが、警視庁は名古屋市内にあるコンビニのトイレのゴミ箱に捨てられていたスマホを発見。解析したところ、事件直前、昨年8月に小田急線の車内で男が10人を刺して重軽傷を負わせた事件について検索していたことが判明しました」

 Aは東大前での犯行直前、ペットボトルなどに入れた複数の可燃性液体を用意。東京メトロ南北線の車内で液体を撒いて火を付けようとしており、小田急線の車内で油に火を付けようとした男の行動に重なる。

「スマホは検索履歴だけでなく、位置情報やメッセージのやり取りが遺されており、現代捜査の“証拠の王様”。警視庁は解析を進め、Aが上京する直前に名古屋市内を観光していたことも突き止めました」(同前)

 逮捕直後には「切腹するつもりだった」と供述していたA。決死の「最後の旅行」だったとされるが、詳しい動機は今も判っていない。というのも、往年の証拠の王様とされてきた供述がここに来て取れなくなってしまったからだ。