昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

浅草線“ナゾの終着駅”「西馬込」には何がある?

2022/02/21

genre : ニュース, , 社会

 東京23区は、日本でいちばん交通網の充実した町だ。どこに行こうにも巧みに鉄道のネットワークが張り巡らされ、よほどのことがなければ不便しないようにできている。

 一見エアポケットのごとくどの駅からも離れている場所があっても、そうしたところであっても何かしらの路線が埋める。このきめ細やかさは、東京の交通網のなによりスゴいところである。そして、そんなきめ細やかな路線のひとつが、都営地下鉄浅草線だ。

「西馬込」には何がある?

 

 都営浅草線というと、京急線・京成線との直通運転、すなわち羽田空港と成田空港という二大ビッグエアポートを連絡するとてつもなく重要な役割を担っている。京急と京成に挟まれた直通運転区間は泉岳寺から押上まで。なので、この区間が浅草線そのものだと思い込んでしまう。

 しかし、である。路線図を見てみると浅草線は西馬込~押上間となっている。つまり、京急線への直通をしない列車は、泉岳寺から脇に逸れて五反田を経て西馬込という駅を終点にしているというわけだ。

今回の路線図。成田空港からも「西馬込」を終着とする列車が走っている

 京急線直通のインパクトの強さのせいでまるで支線のような雰囲気だが、京成線からの直通列車の中にはちゃんと“西馬込ゆき”がある。成田空港からも西馬込を終着とする列車が走っているから、空港に降りたって京成線に乗ろうと思い、「西馬込ってどこだよ」と思った向きもあるかもしれない(まあ、いまのご時世は成田空港に降り立つこと自体がほとんどないですけどね)。

 そんな成田空港からはじまる京成線、浅草線の“京急線に行かないやつ”の終着駅・西馬込とはどんなところなのだろうか。

 

五反田から7分…地上に抜けると「これはびっくり」

 五反田駅で山手線から乗り換えて約7分で西馬込駅に着く。その間には戸越銀座の最寄り駅のひとつである戸越駅があったりするのだが、戸越銀座というと商店街の真ん中にある東急線の駅のイメージが強すぎて、へえ、浅草線でも行けるんですねえというくらいの感想を抱く。中延駅ではこれまた東急大井町線と乗り換えられるようだ。

 とにかくそんなことで西馬込駅に着いて、ホームから地上に向かう。……向かうといっても、そのためには迷路のような地下通路をあっちへこっちへ歩き、エスカレーターを何度も乗ったりしなければならない。

 ホームは2本あるようだが、それが互いに見えない構造なのも西馬込駅の地下通路を複雑にしている。実際にはほとんど改札とホームは一本道なので迷うことはないのだが、本当に正しい道を歩いているのか不安になってしまう。

 以前、京都の市営地下鉄でも同じようなことを感じたが、公営地下鉄の通路は殺風景で地味な通路を歩かされるので、とてつもない孤独感にさいなまれることが多いような気がする。