振り返ると思い出す「おかしな点」
しかし、「いま振り返るとおかしな点はたくさんあったんです」とも語る。
「この《小笠原》と《大川》は同一人物だったんだと思います。とても声の印象が似ていたので……。それにホリプロの名刺を見せてきたのに、渡してくれなかったんです。でもこの時は全く気づけませんでした。目の前の美味しい仕事の話に目が眩んで、気づこうとしていなかったのかもしれません」
カフェでの話を終えると、愛人契約について改めてメールがあった。
「人に聞かれたくない話だからと、翌日にホテルの部屋で話すことになりました。私が先にホテルにチェックインし、その際にホテル代を立て替えておいてくれとのことでした」
メールのやりとりを見ると、A子さんが愛人契約について明確な返事はしていないにも関わらず、《大川》は愛人契約がすでに決まったものであるかのような話しぶりだ。メールの文末には《来週は貴女の洋服、靴、鞄、ジュエリー関係を纏めて買いに行こうと思うので来週終日自由になる日メールくれたら助かります》という言葉が添えられている。
「芸能界に入るということは枕営業も覚悟していた?」
翌18日、A子さんは指示された通り、先にホテルに到着しチェックインした。ロビーで《大川》を待ち、落ち合ったところで部屋へ向かった。
部屋は1万円ほどのツインルームで、ベッド2台と仕事用の長めの机といすが備えられていた。風呂はユニットバスで、いたって普通のビジネスホテルだった。「1年間2000万円で面倒を見る」などといった話をするようなホテルには見えなかったという。
「部屋に入るとまず椅子に座らされ、早速お金の話になりました。《ヒロさん》は『預金小切手』と印字されている用紙を出すと、2000万円、500万円と、それぞれ手書きで記入しました。その小切手を持って『明日これを銀行に出しておくから、数日後にはA子の口座に振り込まれるよ』と言っていて。このお金で今後のデート代を払うように、とも指示されました。振込みがあるまでのデート代は立て替えるようにとも。
私は小切手を見たことがなかったため、疑うこともなく、すごいことになったなと呆然としていました。でも、騙されたと気づいた後に検索すると、本物の小切手とはまるで違っていました」
ニセの小切手を書き終えた《大川》は、A子さんにこう質問を投げかけた。
「芸能界に入るということは枕営業も覚悟していた?」
芸能界に足を踏み入れたばかりのA子さんは、「枕営業もあるものだ」とい思っていたため「はい」と答えた。ここから、《大川》から“ほしいままにされる日々”が始まったのだ。
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本件について、2月19日21時からの「文春オンラインTV」で担当記者が詳しく解説する。
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