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 これはね、何という素晴らしい、もう一つの武器を得たことだろうと思いますよ。「ナイスですね!」と。

──年を経ると、いろいろな方法で相手と楽しむことができると。

片岡 そうです。それは自分の自信にもなりますよ。

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 ヨガで大切なのは、美しいポージングだけじゃなく、体を柔らかくしなやかに保つ、内臓をクリアにする、肛門を上げていくなど、体の内部を鍛えることです。で、その先は精神性に入っていきます。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

 だから、私のヨガ体験から言うとね、肉体と精神を高めて、お相手に優しさと深い愛情を持っていれば、いくらでも幸せにできると思いますよ。先立つものにこだわる必要はない。

明日のことを思いわずらっても仕方ない

──最後の質問です。片岡鶴太郎はこれから、どこに向かいますか?

片岡 これはね、自分でもわからない。中川一政さんの絵と書に「我は木偶(でく)なり、使はれて踊るなり」というのがあって。僕もただの木偶で、天に操り人形のように使われるだけですね。だから、どこか安心して身を委ねているところがあります。

 ──身を委ねる。

片岡 コロナでみんな精神的、経済的にも不安ですよね。私も撮影が飛んで、ここ1、2年、収入がまともにない。でも、こういうときは思いわずらっても仕方ない。この時期をいかに充実させて、次の自分に変えていくか。

 

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──67歳、築いてきたものを変えることに怖さはないですか。

片岡 怖くないです。戻りたくない。今はヨガの哲学を実践しながら、もっと豊かに年を重ねたいと思いますね。それは絵や演技にもつながるだろうし。日々のヨガで顔も変わるようなトレーニングをしてますから、もう顔も、体も、すべて変えてやると思ってます。

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