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 で、勃起力がなくなってくるとね、やっぱり男としてはダメージを受けますよ。自信がなくなる。たとえば「この女性を口説いても、ちゃんとしてあげられないかも」とかね。世の男性陣はそう感じていると思います。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──67歳の鶴太郎さんは、ヨガを続けて性欲不有の境地まで至った、というわけではない?

片岡 性欲はありますけど、若い頃のように「なくてはならないもの」ではなくなりましたね。肉より魚が美味く感じるようになった、くらいのことで。年を重ねて変化することは、新しい楽しみ方を見つけるチャンスだと思いますよ。

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──しかし、そうして自信をなくす男性もいると聞きます。

片岡 そこですよ。年をとれば当然、男性機能は衰えます。これは仕方ない。

 しかし、先立たない……先っぽが立たないからといって、男として値打ちがない、価値がない、自信がない? 「じゃああなたは、これまでの人生、性欲だけで生きてたんですか?」と思っちゃいますね。

先立つものに頼らないのが「ナイスですね!」

──男性機能が衰えたところで、男としての自信を失う必要はない、と。

片岡 村西(とおる)監督だったらね、「何だこのバカ野郎、大したイチモツも持ってないくせに!」って言いそうですよ。

「イイね、素晴らしいね。大事なのはイチモツだけじゃないですよ。先立たないからといって、自分を諦めちゃいけません。もっとナイスなことを考えましょう」と。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──ナイスなこと。

片岡 そうですよ。特に若い男性にとっては、性欲は悪魔のささやきのようなもので、律することが非常に難しい。

 ところが僕の年齢になると、性欲はなくならないけど、やわらいでいる。男性機能の低下は、性欲の呪縛からの解放ですよ。だからこそ、先立つモノだけに気を取られずに、指も腕も脚も、関節も……全身を使って、性愛をじっくりと極める余裕が生まれる。